認知症を抱える父との再会をきっかけに辿る50年間の記憶
言葉にできなかった想いを確かめ合う親子の物語

フォーリング 50年間の想い出
©2020 Falling Films Inc. and Achille Productions (Falling) Limited· SCORE
©2020 PERCEVAL PRESS AND PERCEVAL PRESS INC. · A CANADA – UNITED KINGDOM CO-PRODUCTION

 
「サンダンス映画祭を沸かせた最高の感動作!!」(The Hollywood Reporter)、「クリント・イーストウッド監督作品を彷彿させる」(Variety)と、全米の一流メディアが大絶賛する注目作が、いよいよ日本にもやって来る。
『ロード・オブ・ザ・リング』(2001~2003)3部作のアラゴルン役で世界的人気を獲得し、『イースタン・プロミス』(2007)、『はじまりへの旅』(2016)、『グリーンブック』(2018)でアカデミー賞®に3度ノミネートされた名優ヴィゴ・モーテンセンが、遂に監督デビュー。「母親の葬儀からの帰りに思いついた」と語る自身の親子関係を反映した半自伝的な脚本と、魂に語りかけるような音楽も手掛け、さらに認知症の父を持つ息子役で出演も果たし、これまでのアーティスト人生で培ってきた才能のすべてを注ぎ込んだ作品だ。

航空機のパイロットを務めるジョンは、パートナーのエリック、養女のモニカとロサンゼルスで暮らしている。ある日、田舎で農場を経営するジョンの父親ウィリスが認知症を発症し、引退後に住む家を探すためにジョンのもとへとやって来る。思春期の頃から、進歩的なジョンと保守的な父親との間には、ずっと埋まらない心の溝があった。だが、認知症のために過去と現在の出来事が混濁してゆく父と向き合ううちに、親子の50年間の記憶がとめどなく溢れ出していく──。

過去の思い出と現在のシーンが交互に繰り返されながら物語は進んでいく。幼少期の頃の思い出は優しく穏やかなものも多いが、成長するにつれて段々と緊迫したものになってくる。現在のシーンでは父親の言動や行動にハラハラしながら、そんな父親の世話をしているジョンに対して思わず「頑張れ…頑張れ…!」と応援してしまった。
しかし徐々にその応援の回数も減ってくる。物語が進むにつれどんどん中身に飲み込まれていって、呼吸をするのも忘れてしまうほどだ。不器用な父と子がお互いの想いをぶつけるシーンには心がじん…とする。すれ違っても、お互い踵を返せばまた向き合うことが出来ると教えてくれる映画だ。

『フォーリング 50年間の想い出』は11月12日(金)よりkino cinéma横浜みなとみらい、kino cinéma立川髙島屋S.C.館、kino cinéma天神 ほか全国順次公開。

映画情報

監督・製作・脚本・作曲:ヴィゴ・モーテンセン
出演:ランス・ヘンリクセン、ヴィゴ・モーテンセン and ローラ・リニー

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