テレビは地デジ移行とともに、ディスプレイはブラウン管から液晶・プラズマへと変わり、
薄型化、解像度はハイビジョンを経てフルHD化し大画面が主流となりました。
2012年には4Kが登場し、フルHD(2K)の画面解像度1920×1080に対し、
4Kは各辺の解像度が2倍の3840×2160、面積比においてはフルHDの4倍であり、
シネコンのメインスクリーンの多くが4K対応であることを考えると、
もはや家庭スペックを遥かに超えた超高精細と言えますね。
そして、4Kとセットで次のトレンドとなっているのがスマートテレビであり、
現在発売されている4Kテレビの多くがスマートテレビ化しているということです。
スマートテレビという言葉に馴染みのない方に説明をしますと、
インターネット対応など様々な機能を持ったマルチメディア端末としてのテレビのことであり、
巨大なタブレット端末と考えると分かりやすいかと思います。

 

テレビの中でテレビはひとつの機能に過ぎない?

各社スマートテレビはYoutubeなど無料動画を楽しんだり、
Netflixやhulu、Amazon videoなどVODサービスとも連携は簡単です。
ゲームやツールなどアプリをダウンロードして楽しんだり、
Spotifyなど音楽サービスを楽しむことも可能です。
リモコン構成こそ現段階ではテレビがメインになっていますが、
ユーザーによっては、ゲームがメインであったり、VODがメインになったりと
すでに使い方も多様化しています。
テレビと言うものの存在が、
「テレビも見られるデバイス」になりつつあるのが実情です。

 

家電各社のスマートテレビ

基本的に各社、スマートフォン・タブレット向けOSを搭載していまして、
巨大なテレビ付きタブレット端末という説明は現時点では正解だと思われます。
・ ソニー(Android)
・ シャープ(Android)
・ パナソニック(Fire Fox OS)
・ SAMSUNG(Tizen OS)
・ LG(Web OS)
現時点ではと注釈をつけたのは、タブレットと違い常にリビングに据え置かれていることや、
今までの携帯デバイスと違い家族全員で共有するもの、画面の巨大さも含め
必ず独自の進化をするであろうことが想定されます。
スマートフォンとの連携はすでに進んでいて、各社スマホで番組を操作したり
UIを操作するアプリがストアに並んでいます。

 

今後の進化の予測

・ 家族間の行動予定管理ツール
・ IOT家電との連携
・ 大画面テレビ電話など、コミュニケーションデバイス化
・ AIによる対話型操作や質問
など、高機能情報デバイス化が進むと思われます。
ある程度の機能拡張はOSが乗った器であることを考えますとアプリの追加だけで出来ますし、
2020年のオリンピックイヤーあたりに照準を合わせてTVメーカーは買い替え喚起キャンペーン、
さらには低価格化による販売などを想定しているであろうことを考えますと、スマートTVはより一般化し
端末台数の増加とともにサードパーティによるアプリ開発ラッシュが起きるのではと思います。
現状のアプリは、動画や音楽視聴、ゲームを主としたものが多く見受けられますが、
スマートTV専用にブレイクスルーした画期的なアプリが増えて、革命が起きてほしいと思います。
個人的には、ハードウエアのタッチデバイス化や内蔵カメラによる個人認証等があると、
操作性や可能性が拡大するように思います。
あとはリモコンですね。スマートTVといっても、現時点ではリモコンが進化してないので
そこは、根本的にリモコン自体がスマートデバイスの周辺機器らしきものになって欲しいです。
弊社ではすでにスマートTV向けのコンテンツなども作成しており、
リモコン操作による最適なUI/UXについても知見を重ねている最中です。

この記事を書いた人
近藤圭介/デザイナー・アートディレクター
多摩美術大学グラフィックデザイン卒業後、広告代理店に勤務しCMプランニングなどをしていたが、その頃には珍しかったMachintoshがある制作会社へ移動。グラフィックはじめ店舗開発や商品企画などいろいろなデザインに携わる。

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