気づいたらスマホを手にしたまま数時間が経ってしまった。睡眠時間を確保しなければならないのに、スマホの利用をやめられず深夜になってしまう。このような悩みを抱えている現代人は多いです。
今回は、スマホをはじめとするネット依存について、問題点や自己診断、改善方法などを紹介します。

身近になってきたネット依存

今やほとんどの人がスマホを利用するようになっており、実際30代までの年齢層において所有率が9割を超えているという統計があります。電車に乗るとスマホを手にしていない人を見つける方が難しいですよね。そんな、ありふれたツールとなったスマホですが、便利である半面うまく利用しないと心身の健康を害す危険性も無視できません。2018年に厚生労働省は、中高生の14%に当たる約93万人がネット依存の疑いがあると発表しました。依存状態になると生活にどのような影響が出るのでしょうか。

スマホ依存の影響

体に負担のかからない姿勢を維持するためには、自然と良い姿勢で座れるよう工夫されている椅子が役に立ちます。よい姿勢とは、背筋が伸びており、腰と太ももの角度が直角で、足の裏全体が床についている状態です。また、机と座面の高さのバランスがよいものを選びましょう。姿勢よく座ろうとすると疲れて足を組みたくなったり頬杖をつきたくなるような場合は、家具が体に合っていないため調節が必要です。
 
身体への影響は、生活習慣の乱れによるもの

身体への影響は①視力の低下②睡眠不足③運動不足④肩こりや頭痛⑤体のだるさです。
スポーツ庁の発表によると、小中学生の体力テストの結果から、テレビやスマホ、ゲーム機の使用時間が長くなると点数が低くなる傾向があるそうです。また、電子機器を使う時間が長くなることによってストレートネックと呼ばれる首や肩の痛みがおこることもあります。体の不調が出たら、ネットの使用習慣を見直した方がよいでしょう。
 
心への影響は、攻撃的な意見に触れることも一因に
心への影響は①感情のコントロールができない②攻撃的になる③相手の表情を読み取れない④現実の社会とネット社会での常識のずれ⑤現実の社会との関わりが面倒になる⑥人間不信になる⑦うつ病や他の心身症を引き起こすです。
ネット上では、非対面のコミュニケーションによる影響からか攻撃的なものや批判的な意見が目につきます。極端な人しか意見を発信しようと思わず、また攻撃的で極端な意見ほど拡散されやすいという背景があるためです。ネガティブな考えにさらされるということ自体にも悪影響があるでしょう。
 
社会性への影響は、周囲の人とのつながりを断つこと
社会性への影響は①睡眠不足で朝起きられない②学校に行けない③現実の人間とコミュニケーションができない④ニートになる可能性です。
ネットやゲームに時間を使いたいあまり、家族や友人との会話が煩わしくなったり、夜更かしによって生活時間が乱れることで学校や職場へ時間通りに移動できなくなったら影響が出ているとされています。

チェックリストを使って、自己診断してみよう

ネット依存とは、「勉強や仕事といった生活面や体や心の健康面などよりもインターネットの使用を優先してしまい、使う時間や方法を自分でコントロールできない」状態のことを指します。自らの習慣を顧みるのは難しく、「確かにネットはよく使用するけれど一般的な程度で、依存ではないのでは?」とわかりづらいですよね。そんなときには、チェックリストを使って客観的に振り返ってみるのはいかがでしょうか。
 
ネット依存・ゲーム依存度チェック

依存状態を克服するためには、どんな方法があるの?

依存をやめるために、自分でできること

インターネット依存症の専門家であったキンバリー・ヤング氏によると、依存状態から脱するための自助努力は5つあるそうです。
①長時間のネット使用によって、自分が失いつつあるものを知る②ネットを使用している時間を計る③時間を管理してネット以外の活動をスケジュールに入れる④医療機関や相談窓口などの支援を見つける⑤依存症になったきっかけを探し、解決すべく努力する。
長く続いた生活習慣を改善するのは難しいことなので、同居する家族や同じ目標を持つ仲間と計画を共有しながら実行していけるといいですね。
 
身近な医療機関に相談しよう
依存症の程度が強くなると、ネット使用を自らの意思でやめようとしてもコントロールできなくなります。自助努力で改善が難しいとわかったら専門家の協力を得て治療しましょう。下のリストに挙げた施設以外にも、ネット依存症の相談を受けている医療機関がある可能性があります。心療内科や精神科、お子さまなら小児科など通いやすい場所で支援者を探してみましょう。
 
治療施設リスト

おわりに

「リベンジ夜更かし」という言葉を知っていますか。日中の生活をコントロールできなかった人が、自由の感覚を取り戻すために夜遅くまで寝ようとしない現象を指すそうです。仕事や学校が終わった後にスマホを手にする時間が好きだと自分では思っていても、いつまでも満足感を得られないならスマホは時間を奪うだけのものになっているかもしれません。自分自身が本当に楽しめる余暇の使い方を見つけられるといいですね。

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