30年以上の歳月をかけた、短編小説「外套」のアニメーション

 
アニメーション作家、ユーリー・ノルシュテインのドキュメンタリー映画『ユーリー・ノルシュテイン《外套》をつくる』が、3月下旬よりシアター・イメージフォーラムを皮切りに、全国順次公開が決定。
ロシアを代表するアニメーション作家ユーリー・ノルシュテイン。
『話の話』『霧の中のハリネズミ』など数々の名作を生み出し、手塚治虫、宮崎駿、高畑勲監督ら、日本の巨匠をはじめ世界中のアニメーション作家たちから敬愛されている。彼は30年以上の歳月をかけて、ロシアの文豪ゴーゴリの名作「外套」のアニメーション作品を制作しているが、未だ完成に至っていない。それどころか、近年は撮影が止まっているという。
2016年6月、カメラはモスクワにあるノルシュテイン・スタジオ“アルテ”に向かう。そこにはおびただしい数のスケッチ、キャラクターパーツ、埃をかぶった撮影台が……。

『セシウムと少女』の才谷遼、『おくりびと』の川島章正らが集結!

ゴーゴリの小説「外套」は、帝政ロシア時代のサンクト・ペテルブルグが舞台の物語。真面目で貧しい下級役人アカーキー・アカーキエヴィッチは、生活を切り詰めて貯めたお金で念願の新しい《外套》を手に入れた。しかしある夜、追剝ぎにその《外套》を盗まれてしまう。
失意のうちに死んだ彼は幽霊となり、夜な夜な盗まれた《外套》を捜しに現れる――。
世界が待望する『外套』はいつ完成するのか、なぜ『外套』なのか。未完の映像を織り交ぜながら、ノルシュテインが自身の心の内を語る。
監督はノルシュテインと古くから交流を持つ、『セシウムと少女』(’14)の才谷遼。編集に『おくりびと』(’08)で第32回日本アカデミー賞を受賞した川島章正、撮影に加藤雄大を迎え、アニメーションの“神様”に対峙する。
なお本作の公開にあわせて、「ユーリー・ノルシュテイン監督特集上映~アニメーションの神様、その美しき世界~」の同時再上映も決定している。

 
●予告編動画はこちらから!

 

映画情報
『ユーリー・ノルシュテイン《外套》をつくる』
3月下旬、シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー
・監督・出演:才谷 遼
・出演:ユーリー・ノルシュテイン、ラリーサ・ゼネーヴィチ、マクシム・グラニク、ターニャ・ウスヴァイスカヤ
・構成・編集:川島 章正
・撮影:加藤 雄大
・楽曲演奏:ボリス・ベレゾフスキー
・通訳・字幕翻訳:児島 宏子
・助成:文化庁文化芸術振興費補助金
・配給:ラピュタ 配給協力:ノーム

『ユーリー・ノルシュテイン《外套》をつくる』公式サイト

©ふゅーじょんぷろだくと
 

※この記事はauテレビでも掲載中です。
http://sp.tvez.jp/(スマートフォン向けサイトです)

 

この記事を書いた人
栗林 勝/編集者/1970年東京都生まれ。
専修大学英文科を卒業後、20年ほどアダルト・サブカル系出版社で、雑誌・書籍・ウェブ編集を経験。広く、浅く、安く、をモットーにうす〜く生きている。
<ご案内>
各種試写会や取材のご依頼がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
このブログコーナーでご紹介させていただきます。

ログインする

詳細をお忘れですか?