同性愛が違法のケニアでは上映禁止だった話題作


©Big World Cinema.

 
ケニアのカラフルな最新カルチャーにのせて、自由な恋愛と幸せな未来を夢見るふたりを描く感動作、映画「ラフィキ ふたりの夢」が11月に日本で公開されることが決定した。
カンヌをはじめ100以上もの映画祭に出品され、世界から熱く支持されている話題作。だが、いまだ同性愛が違法とされるケニアでは上映禁止となっていた。後に1週間だけ限定公開された際は、長蛇の列となりSNSでもニュースが飛び交った話題作だ。
監督は、デビュー作でアフリカのアカデミー賞を獲得、今最も輝く才能と絶賛されるワヌリ・カヒウ。豊かで柔らかな感性で、少女たちの初恋物語とケニア社会が抱える葛藤を鮮やかに描き出している。
古いしきたりに複雑な気持ちを抱えながら育ち、ジキとの出会いにより新しい世界へ羽ばたこうとするケナを演じたのは、これが女優デビューとなるサマンサ・ムガシア。ミュージシャンとして2014年からナイロビのアンダーグラウンド電子音楽シーンで活動を始め、東アフリカの有名フェスティバルにドラマ―として出演している。ヴィジュアルアーティスト、モデル、DJといった顔も持ち、アフリカンカルチャーシーンにおいて今最も注目を集めている。
虹色の髪にカラフルなファッションとメイクに身を包む、自由奔放なジキを演じたシェイラ・ムニヴァは監督にも進出しており、まさに多才な女優たちが競演している。
本作は2012年に脚本に着手してから6年にわたって製作が行われた。撮影はナイロビの団地や市街地で行われ、外国人の部門チーフ4名を除き、スタッフ全員がナイロビを拠点とするケニア人。監督、脚本家、部門チーフ、スタッフ、インターン、サウンドトラックのアーティストの多くが女性であり、クリエイティブ業界で働く若いケニア人女性たちの才能が集結した作品でもある。
タイトルでもある<ラフィキ>とは、スワヒリ語で友だちという意味をあらわす。ケナとジキの友情は、やがて淡い恋に変わるが、ケニアでは同性愛は違法。社会の偏見や、何よりも法律という現実が少女たちに厳しい選択を迫る。本当の自分を選ぶか、家族や社会が望む自分を選ぶか…。音楽、ダンス、ファッション、アート──ポップでカラフルなアフリカンカルチャーにのせて、人生を豊かにする人と人の絆を描く感動作だ。

映画詳細

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タイトル
「ラフィキ ふたりの夢」
11月、シアターイメージフォーラムほか全国順次公開
監督
ワヌリ・カヒウ
出演
サマンサ・ムガシア / シェイラ・ムニヴァ / ジミ・ガツ / ニニ・ワシェラ ほか
公式サイト
Facebook(@rafiki.yume.jpn)
Twitter(@MovieRafiki)

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※この記事はauテレビでも掲載されました。
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この記事を書いた人
栗林 勝/編集者/1970年東京都生まれ。
専修大学英文科を卒業後、20年ほどアダルト・サブカル系出版社で、雑誌・書籍・ウェブ編集を経験。広く、浅く、安く、をモットーにうす~く生きている。
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