今すぐ読みたい『BURST』とは!?

 
1990年代に『BURST』という雑誌があった。
もともとバイク雑誌としてスタートしたらしいが、パンク、ドラッグ、エロス、アウトロー、タトゥー、ピアスなど、取り扱う記事は少しずつ形を変えながら、若者のストリートカルチャーを牽引していた。ストリートカルチャーというと聞こえがいいが、“不良”カルチャーといった趣きが強かった。
2013年にその遺伝子を継いだ『TATTOO BURST』が休刊し、BURSTブランドはその幕を閉じた。
その『BURST』が『バースト・ジェネレーション』として、昨年12月に復刊。
ページをめくってみると、ボディサスペンション、ピアス、身体改造、死体写真、地下芸人、マリファナ、タトゥー…。
脳裏にこびり付くような、ひと癖もふた癖もある記事ばかり。姫乃たまの水着グラビアはともかく、内田裕也とHIRØの対談が優しく感じるほどだ。
こうしたエクストリームな記事が続くので、この世界観に初めて触れる方は、巻末の「緊急証言!BURSTを考える!」や「90年代カウンターカルチャーを振り返る」から読むといいかもしれない。
ピスケン、ケロッピー前田、釣先清隆、石丸元章らが、『BURST』創刊から休刊まで、そして今回『バースト・ジェネレーション』を立ち上げた意義まで、時代観を交えてトークを繰り広げている。
かつての『BURST』の編集長ピスケンは「俺はもう編集者じゃない。10年かけて、自らを実作者に変えていった」と言い、今回の『バースト・ジェネレーション』の編集長は、ケロッピー前田に交代している。
そのケロッピー前田は語る。
「やっていることは『BURST』の頃と今も全然変わらない。『バースト・ジェネレーション』は懐古趣味ではなく、今の時代を遊ぶ、今すぐ読みたい『BURST』なんだ」
再び産声を上げた『BURST』。世紀末のストリートカルチャーを彩った関係者は、年老いてなお生命力に満ちている。彼らの息吹に世界は呼応し、すでに次号の発売を5月に控えている。そして今月末には『バースト・ジェネレーション』公開編集会議3dayなるイベントも開催。
20数年前に創刊したときのように、この雑誌は時代を虜にするだろう。

編集長・ケロッピー前田

1965年東京生まれ、千葉大工学部卒業後、白夜書房(コアマガジン)を経てフリーランスに。90年代伝説の雑誌『BURST』にて、世界の最果てを取材し続けてきたジャーナリスト。
オカルトや都市伝説にも精通し、身体改造の最前線やハッカー、現代アート、陰謀論などのジャンルにおいても海外情報収集能力を駆使した執筆を展開。

書籍情報
『バースト・ジェネレーション』
・責任編集:ケロッピー前田
・発行:東京キララ社
・仕様:A4版・96ページ
・発売日:2018年12月5日
・ISBN-10:4903883345
・ISBN-13:978-4903883342
・デザイン:宮崎貴宏
・表紙モデル:姫乃たま

 

※この記事はauテレビでも掲載されました。
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この記事を書いた人
栗林 勝/編集者/1970年東京都生まれ。
専修大学英文科を卒業後、20年ほどアダルト・サブカル系出版社で、雑誌・書籍・ウェブ編集を経験。広く、浅く、安く、をモットーにうす〜く生きている。
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