伊藤淳史演じる言い訳ばかりの主人公が再び家族と暮らすために奮闘

 
新人脚本家の育成を目的に創設された「WOWOW新人シナリオ大賞」。今回、応募総数399編の中から大賞に輝いた圓岡由紀恵氏の「今日、帰ります。」(原題「赤いトマト」)を映像化。
主人公は、ごく普通の銀行員。妻に出て行かれて別居1年が過ぎたある日、銀行の顧客で厄介者扱いされているおばあさんの担当となり、彼女に助言をもらいながら家族が元に戻るよう奮闘する。本作では、胸に響くセリフや空気感で、リアルな別居夫婦や両親の間で悩む子ども、孤独に生きる登場人物たちの想いを表現。WOWOWのドラマではあまり見られなかった“家族の幸せ”をテーマに描く。
監督は映画『青の帰り道』や、俳優の山田孝之がプロデューサーを務める話題作『デイアンドナイト』を手掛けた注目の新鋭監督・藤井道人。主演の伊藤淳史は、2014年、15年の「MOZU」シリーズ以来のWOWOWドラマへの出演で、等身大の父親を熱演。伊藤と夫婦を演じる木南晴夏は結婚後初の家族ドラマ出演で、子を思う気持ちを繊細に表現する。そして、厳しいながらも2人を見守る主人公の義父には西岡德馬、さらに物語のキーパーソンでもある“厄介なおばあさん”役は、WOWOWドラマ初出演の夏木マリが演じる。


森田克博 [伊藤淳史]  森田千佳 [木南晴夏]

伊藤淳史 コメント

初めて脚本を読んだ時に、登場人物の気持ちの揺れや家族の愛が丁寧に描かれていて、とてもいいお話だなと思いました。主人公が、周囲の人との出会いによって刺激を受けて、自分の間違いや「家族の大切さ」に気付いていく……という展開が面白いです。「こういう人って世の中にいるんだろうな」と思える身近な主人公だからこそ、色々な世代の方々に面白いと思ってもらえると思います。
撮影では「虫」を触るシーンが大変でした。役柄と同じで、僕は虫が苦手なんですね(笑)。でも、自然は子供にとって大切ですし、自分自身も子供ができてから虫が苦手な自分を嫌いだったりもするので、苦手な虫に挑戦するシーンは良かったなと思いました。「子供のために苦手なものを克服する、頑張る克博」に共感しました。
藤井監督は、今まで一緒にお仕事をした中で一番若い監督です。年齢が近くて、勢いがある方で、現場でも本音でディスカッションできたのでやっていて楽しかったです。
木南さんとの共演は約8年ぶりですが、明るい方なので雑談していても、お芝居していても楽しかったです!夏木さんは本当にカッコ良くて素敵でした。休憩中は、夏木さんが役柄の波子さんのように気さくに色々教えて下さったりもしました(笑)。西岡さんは義父と娘婿という間柄でドラマ上は壁がありますが、現場スタッフさんとも気軽にお話しなさる方なので、現場の雰囲気も和やかでした!失っていたものに気付く…というストーリーにグッと来ますし、藤井監督が生んだ世界観や映像がとても綺麗なので、多くの方々にご覧いただきたいです!

木南晴夏 コメント

最初に脚本を読んだとき、やっぱり人生って色々と難しいなと思いました。この作品では誰一人悪人はいないのに、それでも上手くいかないことだらけで、家族と離れて暮らすことになったり、ある悩みを息子と一緒に抱えていたり。人間って繊細な生き物だなと思いました。演じた千佳と私は、何かあったときに一人で悩みを抱えがちなところは似ているかもしれません。家族や周りの人に頼ることに慣れていないのかもしれません。でも心のどこかでは助けを求めていて、気づいてほしいと願っているタイプですね。
夫婦を演じる伊藤さんとは二度目の共演だったので、とても話しやすく、良い距離感で演じることができたかなと思います。ぶつかり合うシーンも良いものが出来たと思うので、演じていてとても気持ちよかったです。夏木マリさんのシーンはまるでジブリのような雰囲気や世界観で、その場面と私たちの生活部分のリアルな世界がどう交わるのか、私自身も楽しみにしています。そのような部分も楽しんで観ていただけたらと思います。

夏木マリ コメント

以前からWOWOWには出演したいと思っていたので、今回のWOWOWドラマ初出演は、最高です!!
私自身も人生の終末に入ってきて、エンディングノートを書き出している身としては、(自身の演じた)波子さんの生き様に共感しました。自分の身の振り方を既に整理できていて、素敵な女性だと感じました。人生の先輩として克博と交流して、波子自身も励まされたんじゃないかな。そんな彼女が一人の人間を動かす素敵なドラマだと感じました。
「家族ってなんだろう」、「幸せってなんだろう」と、感じることができる作品です。

藤井道人監督 コメント

たくさんの先輩方が手掛けてきたWOWOWの作品に参加できることに、興奮とプレッシャーを感じました。映像化までの道のりは決して平坦ではありませんでしたが、伊藤淳史さん、夏木マリさんをはじめ、素敵なキャストと信頼できるスタッフのお陰で「現代における家族像」を一つ一つ丁寧に紡ぐことが出来ました。
映像化に際しては、劇的に描かないことに徹しました。本作は3.11によって家族になった夫婦と、家族を失った夫婦の物語です。「いつ何がおこるかわからない」時代だからこそ、今を一歩一歩生きることの大切さを再確認できる作品を目指しました。作中で大きな事件や事故は起きません。でも、この作品の中でひたむきに生きる人々に何か感じてもらえたら幸いです。

今回映像化の大賞受賞者・圓岡由紀恵氏(脚本)コメント

「今日、帰ります。」は、家族の再生の物語です。主人公の克博が家族と一緒に暮らせるようにしたいと描き始めましたが、30歳を超えた克博は、多分1人では変われないだろうとも思いました。そんなとき波子が現れて、物語が開けていきました。今回、皆様のおかげで素敵な映像作品となり、感謝の気持ちでいっぱいです。ドラマを見て少しでも温かい気持ちになっていただけたら、作品に携わった一員として大変嬉しく思います。

番組概要
タイトル
第1回WOWOW新人シナリオ大賞受賞作
「ドラマW 今日、帰ります。」
ストーリー
安定した収入、安定した生活……。東京の銀行で働く森田克博(伊藤淳史)は、家族のために毎日黙々と仕事に励んでいた。しかしある日突然、妻の千佳(木南晴夏)が息子を連れて家を出て、山梨にある千佳の実家へと帰ってしまう。それから別居生活1年。克博は山梨の家に月に1回通っていたが、千佳からは「山梨で一緒に暮らしてほしい」と言われて困惑する。
そんな中、克博は、毎日何回も連絡してきては担当者を困らせることで有名な“厄介なおばあさん”、近藤波子(夏木マリ)の担当に。克博の身の上を知った波子は、「離婚一歩手前だ」と克博にキツい言葉を浴びせるが、週末だけでも山梨で義父の田端恒三(西岡德馬)が営む農業を手伝うよう提案。さらに“エンディングノート”ならぬ“ビギニングノート”を克博に手渡す。ノートには、克博が“家族と一緒に暮らすためにやるべきこと”が書かれており、克博は半信半疑ながらも課題を一つずつクリアしていく。
放送日時
WOWOWプライム 3月10日(日)22時~
スタッフ
脚本:圓岡由紀恵
脚本協力:藤井道人
監督:藤井道人(『オー!ファーザー』『青の帰り道』『デイアンドナイト』)
音楽:岩本裕司(『青の帰り道』「日本ボロ宿紀行」)
出演者
伊藤淳史/木南晴夏/小林未来/河野うさぎ/笠松将/戸田昌宏/西岡德馬/夏木マリ
「ドラマW 今日、帰ります。」(番組公式ページ)
※この記事はauテレビでも掲載されました。
http://sp.tvez.jp/(スマートフォン向けサイトです)
この記事を書いた人
栗林 勝/編集者/1970年東京都生まれ。
専修大学英文科を卒業後、20年ほどアダルト・サブカル系出版社で、雑誌・書籍・ウェブ編集を経験。広く、浅く、安く、をモットーにうす〜く生きている。
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