80年に渡りジャズをリードする、革新的レーベルのドキュメンタリー

 
第二次世界大戦前夜、ナチス統治下のドイツからアメリカに移住した二人の青年、アルフレッド・ライオンとフランシス・ウルフ。大のジャズ・ファンであった彼らは、1939年にニューヨークで小さなレコード会社「ブルーノート・レコード」を立ち上げた。
レコーディングにあたって、アーティストに完全な自由を渡し、かつ新曲を書くよう励ます──。理想を求め、妥協することのないライオンとウルフの信念は、ジャズのみならず、アート全般やヒップホップ等の音楽に消えることのない足跡を残してきた。
映画はスタジオの風景から始まる。ロバート・グラスパーを中心に若手アーティスト達で結成されたスーパー・グループ、ブルーノート・オールスターズ。現在のブルーノートを代表する彼らのレコーディング・セッションに、2人のレジェンド、ハービー・ハンコックとウェイン・ショーターが現れる──。
のちに監督自身が「魔法のような時間だった」と振り返るスペシャル・セッションの映像やレアなアーカイヴ映像、そして歴代のブルーノートのアーティストたちや、レーベルと密接に関わった人々との対話を通じて。80年にわたり世界中の音楽ファンを魅了しつづけるジャズ・レーベルの真実に迫る、傑作ドキュメンタリーだ。
<作品中で流れるブルーノートの名曲>
「ウン・ポコ・ロコ」(バド・パウエル)
「ブルー・トレイン」(ジョン・コルトレーン)
「サムシン・エルス」(キャノンボール・アダレイ&マイルス・デイヴィス)
「モーニン、チュニジアの夜」(アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ)
「ザ・サイドワインダー」(リー・モーガン)
「ソング・フォー・マイ・ファーザー」(ホレス・シルヴァー)
「サコタッシュ、カンタロープ・アイランド」(ハービー・ハンコック)
「モード・フォー・ジョー」(ジョー・ヘンダーソン)
「カンタループ」(Us3)
「ドント・ノー・ホワイ」(ノラ・ジョーンズ)
「マスカレロ」(ブルーノート・オールスターズ)ほか

ノラ・ジョーンズ コメント

ヴォーカリスト/ピアニスト/2000年以来ブルーノートに在籍
このレーベルにいるのが大好きな理由は、いつでも自由を感じていられること。私自身の音楽を創り、望むことをやっているので、ジャズというジャンルの制限に縛られているとは感じない。

ハービー・ハンコック コメント

ピアニスト/1962年から1969年までブルーノートに在籍
アルフレッド・ライオンとフランシス・ウルフと(録音エンジニアの)ルディ・ヴァン・ゲルダー。彼らは私たちが求めてやまないゴールをサポートしてくれた。拘束することなしに、私たちの生み出す音楽をありのままに認めてくれたんだ。

ドン・ウォズ コメント

プロデューサー/ブルーノート・レコード社長
本気でブルーノートの歴史を系統立ててみたらわかるが、彼らが契約したアーティストたちが10年ごとに音楽の世界を転換させている。本当に何か困難なことに出会うと、私は(ウェイン・ショーターの)『スピーク・ノー・イーヴル』を聴く。瞑想と同じ効果があるんだ。そして私の気分は必ずよくなり、必ずリフレッシュし、必ず自分が何者か思い出す。それは、見事に驚くべき救いの力なんだ。

映画情報
ブルーノート・レコード創立80周年記念
映画『ブルーノート・レコード ジャズを超えて』
9/6(金)Bunkamura ル・シネマほか全国順次公開
監督
ソフィー・フーバー
出演
ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、ノラ・ジョーンズ、ロバート・グラスパー、 ドン・ウォズ、ケンドリック・ラマー(声の出演)ほか
公式サイト
※この記事はauテレビでも掲載されました。
http://sp.tvez.jp/(スマートフォン向けサイトです)
この記事を書いた人
栗林 勝/編集者/1970年東京都生まれ。
専修大学英文科を卒業後、20年ほどアダルト・サブカル系出版社で、雑誌・書籍・ウェブ編集を経験。広く、浅く、安く、をモットーにうす〜く生きている。
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