
『KCIA南山の部長たち』『ソウルの春』『タクシー運転手 〜約束は海を越えて〜』に続き
韓国現代史の暗部を描く、決して忘れてはならない、市民たちの「光州事件」
『1980 僕たちの光州事件』
光州事件で崩壊した家族の幸せを生々しく映した本編映像解禁
ひたすら自慢のジャージャー麺を作り続ける中国料理店の店主、結婚を目前に控えて浮かれている男、二人目の我が子の出産を控えた母親、美容室の経営がうまくいくことを夢見ている女性、そして子どもたち。そんな平凡な人々の生活が<12.12軍事クーデター>から5ヶ月後、突如崩れ去ることとなった光州事件を市民目線で描いた『1980 僕たちの光州事件』。ヒンツペーター記者が日本での準備を経て20日の午前中に光州へ辿り着いてから23日までの取材期間を描いた『タクシー運転手〜約束は海を越えて〜』に対し、本作では5月17日から5月28日の最後の戦いとその後までを描き、更に大きな悲しみと怒りを観客へ訴えかける。
この度解禁となった本編映像では、暴動から逃げてきたチョルスの父親をかくまうシーンから始まる。父親は、急いで家の中に逃げ込み、とある理由から久々に息子の顔を見るのだが、一刻を争う事態に何も言わずその場を走り去ってしまう。その様子に気付いたチョルスの母親が、隠れ場所に誘導するが、無理やり押し入った軍人たちがチョルスの祖父の制止を振り切り家の中に入ってくる。祖父が「やめてください。アカ(共産主義者を指す言葉)などかくまっていません」と主張するも、見つかってしまい家の中を走り回る父親と軍人たち。泣き叫ぶ子供と怯える家族たちの中で響く犬の鳴き声…。途中、母親がきゅうりパックをしながら休んでいた様子からも分かるように、何の変哲もない普通の家族に起こった理不尽な出来事をリアルに描いた生々しい本編映像となっている。
市民目線で光州事件を描いたことにより、より感情移入できることで深い悲しみと怒りが私たちを包み込む映画『1980 僕たちの光州事件』は、4月4日(金)よりシネマート新宿ほか全国公開。
詳細はシネマート新宿公式HPにて。
『KCIA 南山の部長たち』では長年独裁者の座に君臨したパク・チョンヒ大統領の暗殺事件を、『ソウルの春』ではその直後に起きたチョン・ドゥファンによる軍事クーデターを、それぞれ史実を基にしたフィクションとして傑作映画に仕立て上げ大ヒットに導いた韓国映画界。そんな中、忘れてはならないのが『ソウルの春』で権力の座を簒奪した軍事政権が引き起こした歴史的悲劇「光州事件」だ。先の2作品と同じく大ヒットを記録した『タクシー運転手 〜約束は海を越えて〜』で描かれたのは、民主化を叫ぶ善良な市民たちを虐殺する軍人たちの姿を、世界に伝えなければという使命感に目覚めてゆくタクシードライバーとドイツ人記者のエモーショナルな姿だった。本作はその事件のど真ん中に生活をしていた「ごく普通の家族」の姿に焦点を当て、権力が市民の小さな幸福をいかにして踏みにじったのか、そして悲劇の中にあっても大切な人を守りたいと願う思いがいかに尊いものであるかを、時にユーモアを交えながらも切々と描いてゆく。涙なくしては語れない韓国現代史劇の新たな傑作映画がここに誕生した。

- STORY
- 1980年5月17日。チョルスの祖父は念願だった中国料理の店をオープンさせる。父親はどういうわけか家にいないけれど、チョルスの大好きな幼馴染のヨンヒや優しい町の人たちに祝福されて、チョルスと家族は幸せに包まれていた。しかし輝かしい未来だけを夢見る彼らを、後に「光州事件」と呼ばれる歴史的悲劇が待ち受けていた。
- 作品情報
- 1980 僕たちの光州事件
《STORY》1980年5月17日。チョルスの祖父は念願だった中国料理の店をオープンさせる。父親はどういうわけか家にいないけれど、チョルスの大好きな幼馴染のヨンヒや優しい町の人たちに祝福されて、チョルスと家族は幸せに包まれていた。しかし輝かしい未来だけを夢見る彼らを、後に「光州事件」と呼ばれる歴史的悲劇が待ち受けていた。監督・脚本:カン・スンヨン
出演:カン・シニル、キム・ギュリ、ペク・ソンヒョン、ハン・スヨン、ソン・ミンジェ
字幕翻訳:本田恵子
字幕監修:秋月望
原題:1980
映倫G
配給:クロックワークス
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2024年/韓国/韓国語/99分/シネマスコープ/5.1ch/