1月後半の日曜日、天気が良かったので2歳の子供を連れて「新川崎ふれあい公園」に行ってきました。きっかけは川崎市で貨物列車が見られるスポットとして検索にヒットしたからです。

鉄道型の遊具がある、貨物の見える公園

こちらの何が良いって、貨物列車鑑賞スポットでありながら公園であり遊具があることです。貨物列車が来なくても子供が遊具で遊べるというのは非常にありがたいことです。
貨物列車は電車と違って、全く来ないこともありうるのです。
「貨物時刻表」の存在は知っていますが、高価で見方も難しく、予定通り走らないなどで購入は躊躇しています。特に「休日 貨物」などで情報検索しますと、日曜日は荷物が少なく運休になる便が多いなどの情報が出てきます。
実際に、年末の日曜日に武蔵野貨物線、府中本町駅の冷えたホームで40分待ちましたが、貨物列車は1編成しか通りませんでした。何もすることがない場所で、あてのないものを待つのはとてもつらいものがあります。
(年末年始は貨物の運行が特に少ないと後で知ります)
こちらのスポットは、アスレチック的な遊具があるようなので、貨物が来なくても時間を無駄にしない、そんな期待がありました。
「新川崎ふれあい公園」は田園都市線沿いの我が家からのアクセスも良く、溝の口から南武線に乗って平間駅で下車し、7〜8分歩くと着きます。
線路に沿った土地の中心に遊具を備えたその公園に、1人で来ている鉄道ファンらしき青年や子供を連れた家族が数組います。

貨物列車を待ち構える

とりあえず、子供を遊具で遊ばせ貨物を待ちますが、すぐには来ません。
10分ぐらいの間、東海道線の通勤電車は遠るものの、貨物は全く来ず不安になります。
鉄道ファンらしき青年に、「貨物は来ますかね?」と聞くと、
「そろそろ来る」と言うので子供を呼び寄せます。
しばらくしてその彼が、「来た」と言う方向にランプの光が見えまして、EF210が引くコキ(コンテナ車)がゆっくりと近づいて来て、目の前を通過していきました。
中々近くに見えますし、新鶴見機関区が近いせいでかなりスピードが落ちています。


タキを引くEF210(桃太郎)

 
通勤電車などはモーターのついた車両が編成に散りばめられているため駅の手前で減速すれば止まりますが、貨物列車は先頭の電気機関車のみが駆動し、貨車は重い荷物の下に車輪がついているだけで駆動力はありません。高速走行すると慣性がついてしまっているため、長い距離をかけて徐々に減速しないと安全に止まれません。
そのため、出発後も停止前もしばらくは結構な徐行運転となるわけですが、雄大な編成の貨物列車がガッシャンガッシャン音を立てながら目の前をゆっくり通過していく姿は、とても見応えがあります。
そのあとにも、EF65(JR色)、EF210(桃太郎)などが引くタキ(タンク車)、コキがゆっくりと通過し、こちらは日曜日でも結構まとまって貨物列車が見られるのだと感心しました。
(その後、貨物路線図を見て、府中本町も新川崎も同じ路線だと知って驚きます。)

貨物のあり方も時代とともに変化

貨車を真剣に見るのは小学生の時以来ですが、デザインが新しくなった機関車以外にも編成最後尾に車掌車が無いことや、あとはコキとタキ以外の貨車が見当たらないことなど、貨物輸送も時間をかけて変化して来たようです。
その後の調べによると、2012年のダイヤ改正で自分の子供の頃に主流であったワムなど有蓋貨車(屋根付き箱型貨車)は廃止され、より効率的なコンテナ輸送にシフトされていったそうです。
また、車掌車はその前の1985年のダイヤ改正で経営合理化のために廃止されていたそうです。

平成のスター機関車 EH500「金太郎」

さて、今日のお目当の車両はEH500こと通称「金太郎」です。赤い車体で2両連結のハイパワーな機関車で、サイドボディの金太郎のイラストが目印です。
中々来ません。事前の調査では、このスポットでも見られなかったとのコメントも多数見ていましたので、期待はしていなかったのですが、うちの子供も「金太郎来ないかな」、よその家の子供も「金太郎来ないかな」です。
そのうちにEF66、自分の少年時代のスーパースターが来て、運転士交換のために目の前に停車しました。
JR仕様のEF66は国鉄仕様とカラーリングだけでなく、ディテールのデザインも変更されており、その適当さに国鉄民営化初期のゴタゴタしたしわ寄せがここにここに来たかと残念な気持ちになりました。
そのうちに、鉄道ファンの青年が左方向を指して「金太郎だ」と。
はじめは何も見えませんでしたが、遠くに光が見えると徐々に近づいて来るのが分かりました。


こちらが金太郎(EH-500)。サイドの金太郎のイラストが特徴だが、イラストがない初期型も

 
EH500の赤い車体が近づいてくると、うちの子もよその子も「金太郎だー」と大騒ぎ。金太郎はスターなのです。
現代のスター機関車「金太郎」。長いコンテナ編成を力強く引く金太郎の2車体連結した姿は見るからに力強く、頼もしさに溢れています。その雄大な姿には大人の自分でも心震えるものがあります。
通り過ぎると「金太郎見たね」「見たね」と親子で顔を見合わせます。
その後も、EH200通称ブルーサンダー、もう一度EH500金太郎が来て、その場を後にしました。

新川崎ふれあい公演の近くにある新鶴見機関区

そこから新鶴見機関区まで歩きます。途中、オフィスの駐車場の先にさっきのブルーサンダーが停車しています。
新鶴見機関区には数多くの電気機関車が待機しており、ディーゼル機関車の姿なども見られます。


EH200(ブルーサンダー)その後ろに国鉄時代色のEF65 1000番代。数多くの機関車が見られる新鶴見機関区


DE10など ディーゼル機関車が嬉しいです

 
新鶴見機関区に駅としては新川崎が併設されており、こちらの駅のホームからも機関車や通過する貨物が見られます。新川崎から東京駅まではJR横須賀線で20分の距離です。自分も息子も金太郎でテンションが上り、このあと新幹線を見に行こうと東京駅へ行き、東北新幹線のホームへ。
片方のホームでは北陸新幹線E7系かがやきや上越新幹線E4系MAXが、もう片方のホームでは山形新幹線E3系つばさと東北新幹線E2系やまびこの連結や、東北新幹線E5系はやぶさとE6系こまちの連結が見られました。このあとはやぶさに乗って大宮に行き、ついでに鉄博まで行ってしまいますが、その話はまた別の機会に。

貨物列車の魅力とは

自分は子供の頃に貨物列車や電気機関車が好きでしたが、今の時代も貨物列車は子供に人気があるようです。自分の子供時代を振り返ると、特急電車の洗練された人の目を楽しませるデザインより、電気機関車や貨車の無骨なデザインの中にある機能美みたいなものがかっこいいと思っていたのでしょう。正直平成の新型機関車にはあまり興味がなかったのですが、あらためて子供と待ち構えてみると、来て嬉しかったのは「金太郎」や「ブルーサンダー」でした。
川崎市にお住まいの方は、新川崎ふれあい公園と新鶴見機関区に一度行かれてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人
近藤圭介/デザイナー・アートディレクター
多摩美術大学グラフィックデザイン卒業後、広告代理店に勤務しCMプランニングなどをしていたが、その頃には珍しかったMachintoshがある制作会社へ移動。グラフィックはじめ店舗開発や商品企画などいろいろなデザインに携わる。

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