国民生活センターの発表によると、格安SIMや格安スマホに関する相談件数が増加しているようです。
「相談したいのに店舗がなくサポート電話もつながらない」
「故障してしまったが修理に時間がかかり、代替機の貸し出しもない」
といった相談が多く届いているとのことです。
このことからわかるのは、安さが売りの格安SIMや格安スマホに、従来のキャリアと同じサービスを求めている人が一部にいるということ。たとえるなら、大衆食堂で一流レストランのようなサービスを求めるようなものなのですが、「安さ」にばかり目がいってよく調べずに契約してしまう人が多いのも事実。
そもそも、格安SIM・格安スマホは、実店舗の運営費用やサポートといった部分のコストを削って安くサービスを提供しているので、このことが理解できない方は利用すべきではありません。感じが悪いかもしれませんが、「後悔する人」「困る人」が増えないように、あえてキツイ言い方にしています。
また、キャリアメールが必要な人も格安SIMや格安スマホに乗り換えてはいけません。キャリアメールというのは……
- ドコモ(@docomo.ne.jp)
- au(@ezweb.ne.jp)
- ソフトバンク(@softbank.ne.jp)
のメールアドレスのこと。
格安SIMや格安スマホに乗り換えると、これらのメールアドレスは使えなくなってしまいます。
さらに、「朝夕の通勤時間帯」と「昼休み」は、基本的に回線速度が遅くなります。この時間帯に回線速度がある程度必要なサービス、たとえば、「ストリーミングで動画や音楽を楽しみたい」といった方は、必ず後悔します。
格安SIMの時間帯別の回線速度は、複数のサイトで計測して発表しています。自分がいつもチェックしいるサイトを紹介しますので、参考にしてみてください。
<参考サイト>
ちなみに、参考サイトで確認していただくとわかるのですが、セカンドブランドと呼ばれる「ワイモバイル(ソフトバンク系)」と「UQ mobile(au系)」は、上記のような混雑する時間帯でも速度が落ちにくい傾向が強いようです。
速度が落ちないのは「自社のセカンドブランドなので優遇しているからでは?」と、総務省や競合他社から問題視されているのですが、このことは、また別の機会に説明しましょう。
そのほかにも……
- 通話の完全かけ放題プランがなく、通話は30秒/20円かかる。
- 契約したデータ通信容量を超えた場合、容量の追加チャージが割高
- 新機種を実質値引きで安く手に入れられない
といったデメリットもあります。
追加チャージの怖さは「平均月額使用料金は1万円!?格安SIM「UQ mobile」の使用結果(16ヶ月分)。」を見ていただくと、よくわかります。
つまり、従来のキャリア3社(ドコモ・au・ソフトバンク)と同等の品質とサービスを求める方は、格安SIMや格安スマホに乗り換えると、必ず後悔します。逆に数々のデメリットがまったく気にならない使い方をしている人は、格安SIMに変更すると、通信費を一気に下げることができて幸せだと思います。
格安SIM・格安スマホは「利用料金が安い」以外のメリットはほぼないのです。大事なことなのでもう一度言いますが「利用料金が安い」以外のメリットはほぼありません。
自分は数あるデメリットを理解した上で、それを解決するために「ガラケー(かけ放題プラン)」+「SIMフリースマホ(基本使用料0円の0SIM)」+「SIMフリーモバイルルーター(mineo Aプラン3GB)」を組み合わせています。これで、毎月の通信費が1283円ですので、多少の不便さは十分許容範囲ですね。
この記事を書いた人:
小日向 淳/フリーライター/1970年東京都生まれ。
商社の営業を退職後、専門誌でライターとしての仕事をスタート。現在はフリーライターとしてオールジャンルの記事を書籍、雑誌、Webで執筆。趣味はサッカー観戦と音楽鑑賞、車と自転車いじり。