「天地明察」、「マルドゥック・スクランブル」などで知られるベストセラー作家、冲方丁による同名の原作小説の実写映画化。脚本は「ワンマン・ ショー」で岸田國士戯曲賞を受賞した劇作家の倉持裕。監督は「イニシエーション・ラブ」、「トリック」など独自の映像センスでドラマに映画にヒット作を連発する堤幸彦である。

ラストまで展開が読めない!ノンストップの密室サスペンス

病院の廃墟に集まった12人の目的は「集団安楽死」。揃って死ぬためにセッティングされた部屋で発見された13人目の正体不明の死体。誰の死体なのか、犯人は誰なのか、謎が解かれるにつれて新たな謎が生まれ、全く予想のつかぬストーリーが展開していく。

超豪華な出演陣。才能ある若手俳優の演技が秀逸

出演は杉咲花、新田真剣佑、北村匠海、高杉真宙、黒島結菜、橋本環奈ら人気若手俳優たちに加え、監督オーディションによって選ばれた吉川愛、萩原利久、渕野右登、坂東龍汰、古川琴音、竹内愛紗らこの作品きっかけにブレイクしそうな若手俳優たち。個性的なキャラクターたちがベストマッチでキャスティングされている時点でこの作品が半分以上成功していると言って良い。それぞれが役としてハマっているだけでなく、役者としても強く印象に残る。

12人全員が強烈に個性を発揮していることで、観た人毎に印象に残るキャストは異なってくるだろう。
私は、この集いの主催者であるサトシを演じた高杉真宙の、育ちの良さの中に潜む静かな狂気や、アンリ役の杉咲花の温度感の高い演技と存在感がとても印象的であった。

手に汗、の緊迫感が最後まで止まらない!

まず、廃墟の醸し出す陰影が、生と死の狭間の張り詰めた緊迫感を増幅させる。その中で、死を目前にした極限心理状態の人間同士が巻き起こすドラマがとてもスリリングであり、散りばめられた謎を解くミステリーとしても複雑で見ごたえがある。そして徐々に語られ明らかになってゆく、ひとりひとりの死にたい理由。引き込まれる要素が何重にも折り重なっており、手に汗握る緊迫感が息つく暇もなくラストまで続くのである。
映画「十二人の死にたい子どもたち」は1月25日(金)公開

映画情報
映画『十二人の死にたい子どもたち 』原作:冲方丁『十二人の死にたい子どもたち』(文春文庫刊)
監督:堤幸彦
脚本:倉持裕
出演:杉咲花、新田真剣佑、北村匠海、高杉真宙、黒島結菜/橋本環奈/
吉川愛 、萩原利久 、渕野右登、坂東龍汰、古川琴音、竹内愛紗
配給:ワーナー・ブラザース映画
制作プロダクション:オフィスクレッシェンド
企画・製作:日本テレビ放送網
オフィシャルサイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/shinitai12/

©2019「十二人の死にたい子どもたち」製作委員会

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この記事を書いた人
近藤圭介/デザイナー・アートディレクター
多摩美術大学グラフィックデザイン卒業後、広告代理店に勤務しCMプランニングなどをしていたが、その頃には珍しかったMachintoshがある制作会社へ移動。グラフィックはじめ店舗開発や商品企画などいろいろなデザインに携わる。

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