島根県・隠岐島での3週間におよぶ撮影の裏話

 
日本の音楽シーンをリードするダンス&ヴォーカルグループ「EXILE」のヴォーカルとして確固たる人気を誇り、俳優としても活躍するTAKAHIROが、満を持して映画で初めて長編映画で単独主演した感動作『僕に、会いたかった』。
記憶を失くした漁師・徹を演じるTAKAHIROほか、山口まゆ、柴田杏花、板垣瑞生ら、旬の若手俳優たちが出演。また松坂慶子、小市慢太郎ら実力派のベテランが物語を支える。監督は、何気ない日常をとらえる描写力と柔らかな映像センスに定評がある錦織良成。島根県隠岐の、島の壮大な自然を舞台に、家族との「今」を大切にしたくなる、絆と再生を描いた感動の人間ドラマだ。
5月10日より公開となる本作に出演する、TAKAHIRO、松坂慶子、秋山真太郎、そして錦織良成監督が物語の舞台・隠岐島を訪問。映画館がない隠岐で上映会を行い、「撮影中から全面的に協力してくださった島の皆さんにいち早くお届けしたいと思っていた」とTAKAHIROが語る、夢の凱旋となった。
記憶喪失の漁師を演じたTAKAHIROは「いつか錦織監督とご一緒したいと思っていたのでとても光栄でした。台詞が少なかったので、細かい所作に“池田徹”という男の人生を感じ取ってもらえるよう気を付けました。本当に難しい役どころだったのですが、経験として何事にも代えがたいことをさせて頂いたからこそ、表現者としてターニングポイントになった作品かなと思います」と語った。
母親役を演じた松坂慶子は「(TAKAHIRO演じる徹は)素朴な、母親思いの心優しい息子ですね。TAKAHIROさんはとっても感受性豊かな方で、涙もろいんですよね」と打ち明けると、TAKAHIROは「松坂さんが不思議なパワーをもっていらっしゃるんです。みなさんご存じの通り大女優さんなので最初はとても緊張しながらご挨拶をさせていただいたのですが、全てを包み込むような優しさと笑顔で接してくださって。まるで何年も育ててもらっているような感覚になれる。短い期間ながら息子として過ごせたことを光栄に思います。松坂さんの優しさに触れるたびに涙腺が緩むというか。泣くべきシーンじゃないのにどうしても涙が出てしまうので、リハーサルで泣くだけ泣いて涙を枯らして本番に向かう、そんな手法を取らせていただきました(笑)」と、意外な撮影中のエピソードを明かし照れ笑いを浮かべた。

 
TAKAHIROが漁師役という普段のイメージとは真逆の設定について錦織良成監督は、「最初学校の教師というのを考えていたんですけど、漁師という役のほうが島の力強さを出せるんじゃないかと思いました。それから島留学で来ている子供たちと記憶喪失の徹、悩んでいる・迷っているというところをリンクさせたら面白いのではと。演じないで自然にそこにいるっていうのはとても難しいことなんですが、TAKAHIROさんと母親役の松坂さん…最初は美男美女で出来過ぎかなと思ったんですが、島に生まれた方が自然にそこにいるんですよね。とってもいい島の親子を演じてもらったと思っています」と両者に手放しの称賛を送った。
隠岐島での3週間におよぶ撮影については「島で生活しながら溶け込む日々が、島の漁師を演じるにあたってはとても助かりましたし、なんでもないように見える シーンが実はとても深いところにつながっていてヒントが散りばめられているんです。個人的に家の中でお母さんに作ってもらったごはんを食べるシーンが印象的ですが、不思議と松坂慶子さんにご飯を出されると何倍もおいしくなる!(笑)」とTAKAHIRO。
「消えもの(劇中で出される食事)って普通は役者さんは残しますよね。でもTAKAHIROさんは完食してましたからね!(おいしくなるのは)お釜の問題じゃないの?」錦織監督がいじると、「違うんです!普通のお味噌汁でも松坂慶子さんが出してくださると“黄金の味噌汁”になるんです!」と返した。
これから映画を観る方へのメッセージとしてTAKAHIROは「先入観なく、癒されるために映画を観に来ていただければと思います。静かな映画です、人と人とのぬくもりを感じていただける映画になっています」と語り、作品への自信をのぞかせた。本作は5月10日より、TOHO シネマズ 日比谷ほか全国でロードショーされる。

映画情報
タイトル
映画『僕に、会いたかった』
5月10日(金)TOHO シネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
出演者
TAKAHIRO/山口まゆ 柴田杏花 板垣瑞生 浦上晟周 小野花梨/宮本裕子 吉野由志子 川村紗也 斉藤陽一郎 清水 宏 山下容莉枝/秋山真太郎 黒川芽以 小市慢太郎/松坂慶子
監督・脚本
錦織良成
エグゼクティヴ・プロデューサー
EXILE HIRO
音楽
瀬川英史
映画『僕に、会いたかった』公式サイト
※この記事はauテレビでも掲載されました。
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この記事を書いた人
栗林 勝/編集者/1970年東京都生まれ。
専修大学英文科を卒業後、20年ほどアダルト・サブカル系出版社で、雑誌・書籍・ウェブ編集を経験。広く、浅く、安く、をモットーにうす〜く生きている。
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