日産コンツェルンを作った伝説の実業家・久原房之助を初の映像化


©2019 Kムーブ

 
昭和の文豪・新田次郎が原作の、日立鉱山の煙害とたたかった地元村民が起こした奇跡を著した「ある町の高い煙突」(文春文庫・刊)を、『天心』『サクラ花─桜花最期の特攻─』の松村克弥監督が映像化。映画「ある町の高い煙突」が、6月22日(土)より有楽町スバル座ほか全国公開される。(ユナイテッド・シネマ水戸、シネプレックスつくばのみ6月14日(金)より先行公開)
煙害を防ごうと、世界一の大煙突建設の悲願を達成するために奔走した若者たちと、それに向き合った鉱山会社の努力と精神を描いている。地球規模での環境問題が深刻化し、CSR(企業の社会的責任)が重要視されるようになった21世紀の今こそ、その原点として一人でも多くの方に届けたい、という気持ちのもと製作されたという。
吉川晃司が演じる久原房之助は、日本鉱業(現・JX金属)、日立製作所、日産自動車などを傘下とする、日産コンツェルンを創設した伝説の人物。弱冠36歳で日立鉱山を開業し、昭和のカリスマ実業家と言われた経済人であり、その後は政治家に転身して日・中、日・ソの国交回復に尽力、政界にも強い影響力を及ぼすほどになった。
映画の中で久原は、近代的な鉱山の建設により、働く人も幸せだと思える理想郷を実現しようとするが、発展していった一方で排出される鉱煙の量が増加し、周辺地域の農作物や草木が枯れるなど、予想を上回る煙害の前に苦悩し奮闘。
政府に逆らい世界一高い煙突の建設を決意をするという意味では、もう一人の主人公ともいえる存在感を放っている。また、これほどまでに久原房之助という人物に焦点を当てて描いた映画は、邦画史上で本作が初となる。


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松村克弥監督 コメント

吉川晃司さんが演じる久原房之助はカリスマ性を漂わす、スケールの大きな人物。主人公の三郎に人生の決意を促せるほどの圧倒的な存在感を持っています。
イメージは撮影に入る前に伝えましたが、いざ現場で吉川さんが演じると僕のイメージ以上のリアルな久原房之助が現れました。近づきがたいオーラを持つ役でしたが、吉川さんご本人は大変礼儀正しく穏やかな方で現場は終始和やか。僕が年上ですが、ほぼ同世代なので親しみが湧き、楽しい撮影になりました。
圧巻は鉱山の職員と地元農村の人たちを前にした演説シーン。久原房之助が実際に語った決意の長い言葉を渾身こめて演じます。その台詞は吉川さんのアイデアも取り入れ、より力強く、観る者の心を鼓舞するものになったと思います。久原像を考えに考えて演じてくれた吉川さんに本当に感謝した現場でした。
さて、どんな場面になったかは映画を観てのお楽しみです。ぜひご覧下さい!

映画情報
映画『ある町の高い煙突』
6月22日(土)有楽町スバル座ほか全国ロードショー
(ユナイテッド・シネマ水戸、シネプレックスつくば 6月14日(金)先行公開)
出演
井手麻渡 渡辺大 小島梨里杏 吉川晃司 仲代達矢 大和田伸也 小林綾子 渡辺裕之 六平直政 伊嵜充則 石井正則 螢雪次朗 斎藤洋介 遠山景織子 篠原篤 城之内正明 大和田健介 たくみ稜
原作
新田次郎『ある町の高い煙突』(文春文庫・刊)
ナレーション
阿川佐和子
監督・脚本
松村克弥

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※この記事はauテレビでも掲載されました。
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この記事を書いた人
栗林 勝/編集者/1970年東京都生まれ。
専修大学英文科を卒業後、20年ほどアダルト・サブカル系出版社で、雑誌・書籍・ウェブ編集を経験。広く、浅く、安く、をモットーにうす〜く生きている。
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