「土を食べた」「中剃り」など数々の役者魂を披露


©映画「二宮金次郎」製作委員会

 
6月1日(土)より公開された映画『二宮金次郎』の舞台挨拶が行われ、合田雅吏、田中美里、榎木孝明、成田浬、五十嵐匠監督らが登場。驚きのエピソードが多数飛び出した。
二宮金次郎役の合田は土を食べるシーンがあり「実際には、土のようなものを用意はしてくれていたんです。ただ、だんだん撮影が進むほど、『土をなんで食べてはいけないのか』という感覚になりまして、『監督、いや、いいです。僕、土食べます』と普通に言いました。なんの抵抗もなかったです」と裏話を披露。
妻役を演じる田中は、以前も合田と共演したことがあると司会に振られると、「合田さんを殺しました」と笑いながら告白。「お風呂に沈められて、そのまま湖に捨てられるという…」と付け加え、この映画では夫婦の役なので、「不思議な職業です」と話した。
敵役・豊田役の成田は、本作のために中剃りした。「中剃りというのは、真ん中の部分を剃って、横が残っているというものです。撮影前は長髪だったんです。監督が『その長髪をなんとか生かしたい。中剃りして髷(まげ)を地毛を混ぜた状態で結ってくれないか』とおっしゃったので、喜んでやらせていただきました」と語った。だが日常生活は「中剃りのまま街歩くわけにもいかないので…」と苦労したエピソードも。
合田は、「(成田は)普段は帽子をかぶったりウィッグを乗せていたんです。顔合わせの時に僕の横にいた綿引勝彦さんが、『あいつはなんなんだ。ふざけているのか』とおっしゃって、『ふざけてはいないと思うんですけど、ちょっと変ですよね』と言ったら、(後からわかったのが、)その時すでに中剃りだったんです」と話し、会場には笑いがおきた。


©映画「二宮金次郎」製作委員会

 
榎木は何本もご一緒した五十嵐監督が二宮金次郎の映画を撮ると聞いた時について聞かれ、「私は時代劇の復活の運動をしているんですけれど、まだまだ出てきていない偉人が日本にはいっぱいいます。(演じた)大久保忠真公がしたこともすごいことなのに、ほとんど知られていない。日本には隠れた偉人がいっぱいいて、その中の筆頭が二宮金次郎だと思います」とこの映画の意義を説明した。
五十嵐監督は「僕は大学の時に長野県に半年間レタス作りに行っていました。そこのご主人が、今年の畑はレタスがどれくらい採れるのかを土をかじって判断するんです。それをかっこいいなと思い、本作では、人間の営みだとか悲しみだとかを土が見ているという形で演出できないかと思いまし た」と、本作のもうひとつの主役が土であることを語った。
最後に監督が「実力のある映画人はたくさんいらっしゃるので、もちろんテレビはありますけれど、映画というものを大切に、その熟練した技術を後世に残したいです。それを見守っていただければと思います」と熱いメッセージを送り、舞台挨拶は終了した。

映画情報

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映画『二宮金次郎』
6月28日まで東京都写真美術館ホールにて公開中ほか全国順次
出演
合田雅吏 田中美里 成田浬
榎木孝明(特別出演) 柳沢慎吾 田中泯
犬山ヴィーノ 長谷川稀世 竹内まなぶ(カミナリ) 石田たくみ(カミナリ)
渡辺いっけい 石丸謙二郎 綿引勝彦
監督
五十嵐匠
原作
「二宮金次郎の一生」(三戸岡道夫 栄光出版社刊)
音楽
寺嶋民哉
映画公式サイト

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※この記事はauテレビでも掲載されました。
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この記事を書いた人
栗林 勝/編集者/1970年東京都生まれ。
専修大学英文科を卒業後、20年ほどアダルト・サブカル系出版社で、雑誌・書籍・ウェブ編集を経験。広く、浅く、安く、をモットーにうす〜く生きている。
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