主人公は『スター・ウォーズ』シリーズでお馴染みアダム・ドライバー


©2017 Tornasol Films, Carisco Producciones AIE, Kinology, Entre Chien et Loup,
Ukbar Filmes, El Hombre Que Mat a Don Quijote A.I.E., Tornasol SLU

 
企画頓挫をするあまり、『ロスト・イン・ラ・マンチャ』(02)としてその過程をドキュメンタリー映画として上映するほどにもなった異色の本作。ついに来年1月24日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか、全国ロードショーが決定した。
ジョニー・デップやユアン・マクレガーなど、錚々たる俳優たちが決定しては消えた主人公トビー役を最終的に射止めたのは、『パターソン』(16)や『ブラック・クランズマン』(18)、そして新作『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(19)など話題作に出演し活躍が著しいアダム・ドライバー。
自身をドン・キホーテと信じる老人ハビエル役を、大人気TVシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」(15~16)に出演し、テリー・ギリアムとは『未来世紀ブラジル』(85)など4度目のタッグとなる大ベテラン俳優ジョナサン・プライスが演じる。
トビーのボスを『パイレーツ・オブ・カリビアン』『アベンジャーズ』といった超大作シリーズに出演しハリウッドに欠かせない名優ステラン・スカルスガルドが演じ、ボスの妻でトビーを誘惑するジャッキを『007/慰めの報酬』(08)『オブリビオン』(13)などに出演し妖艶な魅力を発揮するオルガ・キュリレンコ。
その他に、ポルトガルのゴールデン・グローブ賞にノミネートされるなど今後の活躍が期待されている新進女優ジョアナ・リベイロ、『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』(11)にてスパニアード役を見事に獲得したオスカル・ハナエダ、『ハリー、見知らぬ友人』(00)にてセザール賞を受賞したセルジ・ロペスら、期待の若手俳優から実力派ベテラン俳優が脇を固める。
そして、1989年から約30年をかけて数々の障害を乗り越えて本作をついに完成に導いたのは、モンティ・パイソンのメンバーとしても知られる、もちろんこの人、鬼才テリー・ギリアムだ。
2000年にスペイン・マドリードで撮影が始まるが、撮影現場周辺を軍用戦闘機が飛び交い、あえなく中断。さらに鉄砲水に襲われ撮影機材が流出し、景色も様変わりしてしまう悲劇に見舞われる。なんとか撮影を続けようと試みるが、ドン・キホーテ役のジャン・ロシュフォールが腰痛を訴え、歩くことも不可能になり企画が頓挫。その後も資金繰りやキャスティング、権利関係の問題により幾度と企画が頓挫しては、不屈の精神で再び立ち上がり、ついに劇場公開にたどり着いた。

映画情報

 
『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』
2020年1月24日(金)TOHOシネマズ シャンテほか、全国ロードショー
監督
テリー・ギリアム
出演
アダム・ドライバー ジョナサン・プライス ステラン・スカルスガルド オルガ・キュリレンコ ジョアナ・リベイロ オスカル・ハエナダ ジェイソン・ワトキンス セルジ・ロペス ロッシ・デ・パルマ ホヴィク・ケウチケリアン ジョルディ・モリャ
脚本
テリー・ギリアム トニー・グリゾーニ
映画『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』公式サイト

©2017 Tornasol Films, Carisco Producciones AIE, Kinology, Entre Chien et Loup, Ukbar Filmes, El Hombre Que Mat a Don Quijote A.I.E., Tornasol SLU

※この記事はauテレビでも掲載されました。
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この記事を書いた人
栗林 勝/編集者/1970年東京都生まれ。
専修大学英文科を卒業後、20年ほどアダルト・サブカル系出版社で、雑誌・書籍・ウェブ編集を経験。広く、浅く、安く、をモットーにうす〜く生きている。
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