1月23日(土)16時〜、テレビ東京が新感覚の問題提起型ドラマバラエティ「ついてけない子さんを愛でる」を放送! SDGs、フェムテック、サウナーブーム……などなど、聞いたことがあるけどよくわからないこの時代ならではの言葉の数々。実はよく知らないことで、情報格差が生まれていることも。番組内では、そんなイマドキワードをドラマ形式でわかりやすく紹介。さらにスタジオでは、黒沢かずこ、国生さゆり、和田彩花、草川拓弥(超特急)、坪倉由幸(我が家)、くわばたりえ、川村エミコらキャストがVTRと共にそのワードを追求し、世代や男女の差を超えて本音で徹底的に語り合う。


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プロデュース・演出は、「極嬢ヂカラ」「アラサーちゃん 無修正」「生理 CAMP2020」、テレ東無観客フェス「新・大人の性教育 セクシャルマインドセットをバージョンアップせよ!」を手掛けてきたプロデューサーの工藤里紗。放送を前に、工藤プロデューサーに企画の意図と番組の見所を聞いた。

知ると少し人生が楽になる。そんな時代の言葉を届けたい

——問題提起型ドラマバラエティ「ついていけない子さんを愛でる」の企画、発想のきっかけは何だったのでしょう。
「テレ東無観客フェスでの「新性教育」オンラインイベントや「生理CAMP2020」を通し、フェムテックやPMSというワードが自分にとっては当たり前になっていました。けれど実は周りはそうでもない事を知り、「情報格差」はもちろん「いつの間にか自分が情報バイアスの罠」にハマっていることが気になったからです。
特にコロナ禍になってからは「リアルよりもネット中心の情報収集」がメインになり、“知らず知らずのうちに自分の興味に偏ったものばかり見ているかも!”という危機感も感じています。そんななか「生理CAMP」で黒沢さんが披露してくれた…ずっと初潮をお母さんから隠していた話や、万が一を防ぐために中学の頃から毎日ナプキンを使用していたというエピソード、“バービーさんのように新しいものを次々と試すなんてとんでもない!”と話す彼女の姿に雷に打たれたのがきっかけです。放送後も黒沢さんに対する共感や反応の声は多く、“そうだよな、この人たちを大切にしたいし、テレビは忘れてはいけないな”と感じました。また、何かを知らないとすぐに「情弱(情報弱者)」という言葉が出てくることにも違和感を感じていました。情報による分断が起きている気がします。

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「ついていけない」視点で時代を面白がったり、黒沢さんのように実は表に出てこない声こそ実はマジョリティかもしれない。そんな「ついていけない子さん」を愛でる空気の番組があると楽しいなと思い、企画を考えました。そして時代のワードを情報番組やドキュメント、リアルではなく「フィクション」、つまり「ユーモアあるエンタメ」として扱いたいと思い、「問題提起型ドラマバラエティ」形式を採用しました」

――番組中はどのようなワードがテーマに登場しますか?
「SDGs、フェムテック、サウナ、PMSが主なテーマですが、このほか更年期についてもスタジオで語る部分があります。テーマは知ると少し人生が楽になったり、何かポジティブに動けるようになるものを選びました。また「知っていて当たり前」と思い込んでいる人とそうでない人の差が大きいので、業界を問わず限定されないものを選んでいます。

例えば、息子の学校のプリントでも見かけるようになった「SDGs」。私も初めて聞いたときは知ったかぶりをしてしまった覚えがありますが、“さすがに今はみんな知っているかな?”と思いきや意外と知らない。企画を相談した放送作家さんも、プロダクションのプロデューサーさんも知らない。これはやはり世の流れを知る上でも知っていた方がいいなと思い選びました。

次に、女性が抱える健康問題をテクノロジー(技術)で解決するサービスやモノを示す「フェムテック」。これから発展してく分野の「フェムテック」は知っているだけで希望を感じますし、情報アンテナを立てて新しい商品やサービスを試すことも可能です。宋美玄先生のお話を聞いて、医療にはない「快適さ」を追求できるのもフェムテックの特徴の一つだと感じ、エールの意味も含め取り上げました。

「PMS(月経前症候群)」も、知っていのると知らないのとではやはり男女共に生きやすさが変わります。昭和の時代から「生理=いらいら」や鎮痛剤のCMにより「生理痛」というものがあるという事は一般に知られていますが、生理前の不調は意外と知られていません。実は「PMS」という名前がついているほどあるあるな悩みで、ホルモンの変化によって起きるもの、症状も様々でカラダだけでなく心の不調もあり多くの人が悩んでる。その事実を知っていれば、人に相談したり、スケジュールを調整したり、市販の漢方を飲んでみたり、医療機関を受診してピルや症状に合わせた対処療法を試すこともできます。でも知らなければ、ただただ自分も周りの人も辛い状態になってしまう。

ユネスコ無形文化遺産への登録も決定したフィンランドのサウナ。日本でのサウナブームもありますが、こんなに自由で気持ち良いのに、知らなかったり昔のイメージのままだとただの苦行になってしまう。以前情報番組でサウナの入り方や有名サウナなどの特集もしましたが、サウナ好きの人目線になっていた気がします。そうではなく、知らない人目線で水風呂や外気浴も楽しみつつの現代のサウナを取り上げ、サウナに熱狂している人たちをヒキ目線で面白く描いてみるものありかなと思いテーマに選定しました。番組内では会社でサウナを楽しむという不思議な設定にしていますが、いわゆるサウナで、銭湯で、オシャレなスパで、キャンプで、コテージで……、と様々なシチュエーションで自由にサウナが楽しめるようになってきているので、自分の楽しみ方に挑戦するきっかけになればと思っています」

本音トーク続出!スリリングなトークにドキドキ

――キャスティングのポイントとその狙いをお聞かせください。
「トークもあるので、性別だけでなく、考えや価値観の違いを意識したキャスティングを心掛けました。ドラマ部分はまずキャラクターをイメージしてキャスティングをしています。

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「ついていけない子さん」は黒沢さん。彼女は企画のきっかけになっている人でもあり、この番組を象徴する人でもあります。意識は高いが情報が古い「いしきたか子さん」は国生さゆりさん、「じゅうじつ子」は和田彩花さん。和田さんは「#NoBagForMe」のプロジェクトメンバーであり、「フェムテック」や「PMS」といったジャンルにも関心があると知っていたためお願いしました。またこのお二人はお芝居部分での期待はもちろん、トークでも周りに迎合せず自分の声を話してくれそうだなという想いもありました。

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「しったかぶり男」は超特急の草川拓弥さん。「PMS」のエピソードで、「じゅうじつ子」とカラダが入れ替わりPMSを体験しますが、実際に“初めて知った!”と驚いていて、その感覚を活かしたいなと思いました。「ちょいわる男」の部長は我が家の坪倉さん。役者さんとしても大活躍ですし、過去にも恋愛バラエティや歴史特番の再現ドラマで信長を演じてもらったこともあり、頼れる方という意味でもお願いしました。またスタジオトークの際、女性に関する話でも気張らず自然に入ってきてもらえるだろうという期待もありました」

――現場の雰囲気はいかがでしたか?
「お芝居とトークを合わせて1日での撮影というタイトなスケジュールで、またコロナ禍で気を遣う事も多く、どこか見えない緊張感がある撮影だったと思います。スタジオトークは久しぶりに全く先が読めない展開でした。「SDGs」に引っかかったり、ガマンして隠すものだった女性特有の悩みを口にする事に驚愕する国生さんなど、「テレビの予定調和からはほど遠い」良い意味でスリリングな収録でした。ある程度見やすく編集していますが、現場はどんな発言が出るか分からないという緊張感があり、これがもし生放送なら全ての間や「???」を活かせるのに……とも感じました。本当に展開が見えなかったので視聴者が戸惑う部分もあるかもしれませんが、分からないものをやる方が本当は楽しいし、やる意味があるなとも勉強になりました」

――ドラマとトークでそれぞれ印象に残ったシーンや発言をいくつかご紹介ください。
「テクノロジー戦隊フェムテックの息が全く合わない所です(笑)。あと、ゲストで登場するくわばたりえさんと川村エミコさんのやりとりをもっと聞いていたかったですね。

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トークで特に印象的だったのは、国生さゆりさんと和田彩花さんの対峙です。「SDGs」について意識が高い和田さんと、一方で“環境問題って昔から言っているけどそもそも木を切っちゃいけないからプラスチックなんだと聞いてきたし、何でもルール化するってどうなの?”と言う国生さん。何となく「SDGs」っていい事だよね、大切だよね、というのが世の流れですが、そこに臆せずギモンの声を上げる国生さんに、ちょっとした衝撃を受けました。

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「PMS」についてのトークでも、月経前症候群の事なのでおのずと「生理」という言葉が登場する中で、心底「そんなダイレクトな言葉を言うとは……」と驚く国生さん。「もっとオブラートに包んで……」と話すと、隠すとタブーになる、タブーになると声にしずらくなるという意見が出たり、「生理」という言葉が発する壁に世代や価値観の差を感じました。そんななか、次第に国生さんが自分を開示し、「更年期」についてのお話をシェアしてくれたことが一番心に残っています。ネガティブにとらわれがちな「更年期」が人生を考えるきっかけになったり、〇歳で結婚、〇歳で出産――など、どこか見えないルールにとらわれていた事への疑問などを話してくれました。若い人も、更年期を過ぎた人も、男性にも聞いてもらえたら幸いです」

世代や男女、接触メディア……、情報格差を日々実感

――テレビプロデューサーとして、普段どのように世の動向を掴み、情報収集をされていますか?情報を把握・収集するために心がけていることはありますか?
「意識的にというよりも、もはや趣味の部分でもありますが、色々な人に会って話をするようにしています。本も、映画も、音楽も、息子との会話やお稽古も、サウナでの女性たちの様子も、全てが情報収集になっています。お行儀が悪いけど、入浴中も企画メモを書いたり、調べものをしたり、本やマンガを読んだり、パソコンで配信を見たりしています。寝ているときも、企画を書いたり、この特番の編集を夢の中でもしていたり(笑)。起きると忘れてしまってもったいないので、ぜひ夢の記録機や文字起こし機能の開発を願います!ちなみにネットも沢山見ますが、自分の検索や興味による「情報バイアスのフィルター」も心配なので、本屋や図書館をウロつくことも大切にしています。自ら取りに行かない情報を目にしたり耳にする経験も、ネット時代だからこそ意識的に行っています。

すでに詳しい人たちがいるジャンルに興味を示すのって勇気がいるものですが、それも素直にスーパー初心者として触れてみる事を大切にしています。食わず嫌いと「初」を恐れない。初体験することは、自分の中のカードを増やす事にもなり、そして何よりも刺激的で楽しい!息子きっかけで歌舞伎を大人になってから観るようになったり、フィンランドきっかけでサウナにハマったり、コロナ禍になってから人目を気にせず楽しめるものとしてロードバイクの世界を知り、“人間はこんなに遠くまで来れるのか!”とハマったりしております。起きている時はもちろん夢も含め、人生の全部が、情報収集であり企画の種だと思っています。コロナ禍で雑談や新しい場の空気を吸う事、ふとした人間観察が減っていて危機感も感じているので早く“リアル”も楽しめる様に収まって欲しいですね。」

――工藤さんご自身、世代間や男女間など、情報格差を身近に感じることはありますか?
「毎日です。家族内でも感じるし、職場でも感じます。コロナの話題でいうと、コロナ禍になり突然テレビ接触率が増えた母と、テレビを1秒も見ない夫の危機意識の差も大きいですね。接触するメディアによる格差、分断を特にこの数年感じます。

一方で、テレビを主に身を置きながら、テレビ外の世界との情報格差その差に悩むことも増えています。自分の興味や、やりたい事、守りたいラインを共有したり、理解してくれる人が必ずしもテレビ業界の中にない場合、既存の制作スタイルや体制、組織の作り方でよいのか?と疑問に思うこともあります。そして、“もっと、既存を変えていかないと!”という危機感も感じています」

――本番組や「生理キャンプ」など、普段あまり光のあたらないテーマを積極的に取り上げているように感じます。工藤さんが関心を惹かれるテーマ、ポイントとは?また、そこに何か共通事項や想いはありますか?
「言いづらいことに惹かれます。また、孤独を感じたり、マジョリティ(パワーがある側)ではないと感じる事にも関心があります。全部「マスメディアであるテレビ」の真逆じゃないか!とツッコミを受けるかもしれませんが、「見えない巨大な集団」よりも「個」と向き合いたいという想いがあります。もし何かマスな使命があるとしたら、特に大きな声を出しづらい人の代わりに声を出すことかな、と勝手ながら思っています。私自身、たまたま女性向けの内容を扱う番組が多いけれど、そもそも自分はいわゆる「女性」という軍団に属しているのだろうか?という疑問もあります。バラエティも良く分かりませんし、実はテレビって?もよく分かりません。でも、だからこそ、ぼや~とした得体のしれない集団よりも、目の前の一人一人に向けて何か発信したり、楽しんでもらいたいのかもしれません」

――どんな方にこの番組を観てほしいですか?メッセージをお願いします。
「まず若い世代に見てほしい。あと、“「SDGs」ってそう読むのね!”でもいいし、本当は「SDGs」という細かなワードよりも、自分でも何か出来るかもと思う社会課題について一瞬考える事が出来たら一番うれしい!“あ~生理前の不調って「PMS」って名前があったのか。なんか対策調べよっかな”でも、“熱いだけと思っていた「サウナ」、やっぱり行ってみたいな~。水風呂か~”という見方でもOKです。幅広い世代、性別問わず見てもらいたいです!」

番組情報

タイトル
時代(いま)の言葉(ワード)が分からないあなたと…「ついていけない子さんを愛でる」

©テレビ東京

 

放送日時
テレビ東京 2021年1月23日(土)16:00~

出演
黒沢かずこ(森三中)/国生さゆり/和田彩花/草川拓弥(超特急)/坪倉由幸(我が家)/くわばたりえ(クワバタオハラ)/川村エミコ(たんぽぽ)/宋美玄(産婦人科医)

司会
原田修佑 テレビ東京アナウンサー
プロデューサー
工藤里紗

※この記事はauテレビでも掲載されました。
http://sp.tvez.jp/(スマートフォン向けサイトです)
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