映画『わたしの見ている世界が全て』スペシャルインタビュー森田想

3月に放送されたフジテレビの『#who am I』など、話題作への出演が続く森田想の主演映画『わたしの見ている世界がすべて』が、3月31日より公開。本作は『東京バタフライ』の佐近圭太郎監督が映画コミュニティのワークショップの中で脚本を仕上げていった実験的な意欲作となっている。部下へのパワハラで退職に追い込まれた主人公の遥風は、自ら事業を立ち上げるための資金作りとして、家族を追い出して実家を売るための“家族自立化計画”に乗り出すが…。社会風刺の効いたヒューマンドラマにどのように挑んだのか。森田想に話を聞いた。

「セリフの節々が優しくならないように意識しました」

――本作への出演はどのような経緯だったのでしょうか。

監督とプロデューサーから企画書を送っていただきました。私としても家族モノはあまりやったことがなかったので、とてもいい機会ですし、ぜひやってみたいと思いました。主演ということで、少し戸惑いもありましたが、挑戦したかったので、やらせてくださいとお返事したのがはじまりです。最初に大まかなストーリーをいただいていて、結末はそこからブラッシュアップされているんですけど、主人公は自分と似ているところもあって、成長過程もしっかりあるので、演じやすいんじゃないかなとは思っていました。企画段階で家族とのシーンが多かったので、そこも楽しめたらいいなと思いましたし、最初からすごく前向きな気持ちでした。

――演じられた遥風はどのような女性だと思いますか。

遥風は自分が正しいと思っているんです。仕事だとそれが突出するけれど、日常生活でも、自分の考えていることや学んできたこと、読んできたものなど、いろいろなものにきっと自信を持っている。だからこそ、人に話すことが必ずいい方向に作用するはずだと信じてやまない。そこが結構、頑固ですね。遥風の考え方はわかりやすかったですし、そういう性格を振りかざして生きるのは面白いな、と思いながら演じました。

――劇中では、遥風が自分の言葉を否定されてしまったり、人が離れていってしまったりと、ともすれば心が折れてしまいそうな場面もあります。そういう時もくじけずに自分を信じているように思えましたが、その強さはどういうところから来ていたのでしょうか。

強いのかな？　強いというよりは、自分と違う意見を言われたとしても「だから？」くらいにしか思っていないんですよ。「あなたにはわからないのね。私の考えているレベルに達していないんだな」っていう感じ。そういう考え方だから、ダメージになっていないんです。それが悪い部分というか、反省できていないっていう部分ではあるんですけど。劇中ではその無神経さに拍車がかかっていくような感じを覚えました。

――すごく自己中心的なようで、家族のために動いたり、みんながいい方向に向かうように動いていたりもしますよね。

そういう行動があるからこそ、完全には憎めないんです。でも、考えてみると、いつか自分のしたいことができるように動いているだけでもある。100％人のためにやっていることだとしたら、「こうしてもいい？」と絶対に聞くでしょうから。相手の気持ちを考えないでやっていて、優しさを履き違えているようにも思えます。遥風の中ではいいことだと思ってやっているんですけどね。

――今回は脚本もいろいろなディスカッションの中で生まれたものとお聞きしました。だからこそのリアルさもあったと思いますが、家族とのやりとりの場面などで印象に残っていることはありますか？

クランクインする前に、家族4人のシーンはリハーサルをさせていただいて、台本のセリフや、どう動きたい、どこに座りたいなど、感情面での動きをすり合わせることができたんです。それがすごくやりやすかったですね。自分の中で多少の余裕も生まれましたし、家族がどんな温度で来るのかも確認できました。会話劇としてのやりやすさはあったと思います。

――遥風を演じるにあたって意識したことはありますか？

語尾の強さはかなり意識しました。言い方によっては末っ子感も出るし、人の意見に耳を傾けそうにも見えるんですね。そう見えながらも、ちょっと冷たくというか、自分の真理を誰にも邪魔させないという意思を表現するのに、語尾を意識した方がいいと思ったんです。歩くのが早いとか行動ではそういう部分を出せていたと思うので、セリフに関しては節々が優しくならないように意識しました。ちょっと見下した目で返事をするとか、目線も意識しています。

――監督からの言葉で印象に残っていることはありますか？

言葉の温度感や、まばたきの速さ、目の動き、他の人の言葉をどれくらい受け入れているのかなど、そのあたりの感覚はすごく話し合いました。遥風が何を感じているのか、どのくらい理解できているのか、その尺度の確認はたくさんしたと思います。

――佐近圭太郎監督は、森田さんから見てどんな人でした？

たまにあまり話を聞いていないなっていう瞬間がありました（笑）。きっと監督ご自身の中にもビジョンがあって、私もそれを聞いてすり合わせしていくんですけど、あれ今、同じこと言った？　とか（笑）。そういう時って、監督が“入り込んでる”ときなんですよね。そういうのがわかりやすくて、なんか可愛いというか、面白かったです。

――撮影中のエピソードで、共演の方々との出来事など、何か楽しかったことはありましたか？

家族のシーンなどでは、みなさんが「次はこうしようと思う」などたくさんお話をしました。実際にあるお店を借りて撮影をしたので、休憩中はみんなで裏のラーメン屋のラーメンを食べたり、ブドウを食べたりして、すごくいい距離感でした。みなさん優しく接してくださったので、一緒にいる時間が楽しかったです。

――この作品と出合ったことで、森田さんの中に何か変化はありましたか。

役と比べて、自分は人とどう接していたのかな？　とか、どれくらい自分のことをわかっているかなんて結局わからないな、とかは考えたりしました。あと、主演として参加させていただきましたが、まだまだ全然周りが見えていなかったり、役と同化してしまったりしていたので……もっと余裕を持って臨みたかったなという反省もあります。振り返って気付くことも多かった作品です。

――本作はマドリード国際映画祭にて主演女優賞（海外映画部門）を受賞し、大きな評価を得ました。実感はいかがですか。

すごくありがたいです。ただ、現地の声を聞けていないので、まだ評価していただいたということに対して、ちょっとふわふわしたような気持ちです。きっと作品が公開されて、みなさんの声が私に届いたときに実感できるんじゃないかと思っています。今はまだ、本当なのかな？　くらいの感覚ですね。

――今後、女優として挑戦したいことは？

あまりコミカルな役をやったことがないので、そこには挑戦したいです。おしゃべりをするのも、ふざけるのも大好きなので、そこを伸ばせたらと思います。ただ、コミカルな役はアドリブも多いイメージなので、即興でなんでもできるようにもっと勉強したいですね。明らかに変な動きをしているとかよりも、ボソッと突っ込んでみたりとか、日常の中で面白さをバランスよく発揮できる人になりたいです。

――撮影やお仕事で忙しいかと思いますが、森田さんが一番自分らしい時間ってどんなときですか？

ひとりでお買い物や街歩きをするときです。まだ少し寒いですけど、暖かい日は買い物に出かけたり、ウインドウショッピングをしたり……。コーヒーも好きなので、カフェに寄ってみたり。リフレッシュできるのでそういう時間が大好きです。

――カフェのゆったりした時間は癒しですよね。では、今ハマっている食べ物とかはありますか？

フィナンシェにハマって、一時期は毎日食べてました。あの“サク・じゅわ・しっとり”がおいしいんですよね。おいしいお店のものを頂いてからハマって、コンビニとかでもよく買います。

――フィナンシェの角のカリッとしているところもおいしいですよね。

そうそう、そうなんです！　紅茶とかと一緒に食べると最高です！！

――今日イチのテンションいただきました（笑）。ショッピングもお好きとのことですが、好きなファッションのスタイルはありますか？

私はとにかくデニムが好きで、デニムonデニムとかのスタイルもよく着ます。たくさん持っているのに、ショッピングでもついデニムを見ちゃいます（笑）。あとは、グラデーションしているアイテムが好きです。グラデーションニットとか、タイダイとか、色が混ざっているアイテムには惹かれがちですね。たくさん色が入っているので、単色のものよりも合わせやすいし、主役になれるアイテムが多いんです。なので、結構買っちゃうし、集めちゃいます。

――自分の中の生活ルーティンや決めていることはありますか？

決めていると言うほどでもないんですが、毎日10分くらいは歩きながら、自分を見つめる時間を作りたいですね。駅までとか、バス停までとか、どこか目的地に向かうまでの間に、自分の好きな音楽を聴いて歩きたい。曲を聴いていると「昨日よりも私あんまり元気ないんだな」とか判断できるんです。「アップテンポの曲は今聞きたくないな」とか。そういう自分を知る時間は大切にしたいと思っています。

――そういう時間とのメリハリが素敵な作品に繋がるのかもしれないですね。最後に、映画を楽しみにしている方にメッセージをお願いします！

手放しにハッピーという作品ではないですが、しっかりと誰かに向き合ったり、自分と向き合ったりすることができる映画だと思います。一人ひとりが誰かに寄り添い、そこで見つける気持ちを感じてほしいと思います。

映画情報

『わたしの見ている世界が全て』
2023年3月31日（金）より、ロードショー。

（C）2022 Tokyo New Cinema

あらすじ
熊野遥風は、家族と価値観が合わず、大学進学を機に実家を飛び出し、ベンチャー企業で活躍していた。しかし、目標達成のためには手段を選ばない性格が災いし、パワハラを理由に退職に追い込まれる。復讐心に燃える遥風は、自ら事業を立ち上げて見返そうとするが、資金の工面に苦戦。母の訃報をきっかけに実家に戻った遥風は、3兄弟に実家を売って現金化することを提案する。興味のない姉と、断固反対する兄と弟。野望に燃える遥風は、家族を実家から追い出すため、「家族自立化計画」を始める―。

出演：森田想、中村映里子、中崎敏、熊野善啓、松浦祐也、川瀬陽太、カトウシンスケ、小林リュージュ、堀春菜、三村和敬、新谷ゆづみ
監督・編集：佐近圭太郎
脚本：末木はるみ／佐近圭太郎
製作・配給：Tokyo New Cinema

≫映画『わたしの見ている世界が全て』公式サイト

撮影：島村緑　取材・文：宮崎新之
ヘアメイク：榎本愛子　スタイリスト：入山治章

プレゼント

森田想さんのサイン入りチェキを2名様にプレゼント！

賞品

森田想さんのサイン入りチェキ

当選者数

2名様

応募期間

2023年3月22日（水）～2023年3月28日（火）　

応募条件

１．Twitterアカウントをお持ちでTwitterアカウント「@WillMediad」をフォローしていること。
２．Twitterアカウントをお持ちで本キャンペーン指定のツイートをリツイートしていること。
※引用ツイートはご応募の対象になりませんのでご注意ください。
※必ずご自身のアカウントを“公開”にした状態でご参加ください。
※日本国内に在住で賞品の配送先が日本国内の方。
※未成年の方は保護者の方がご応募ください。

手順: １．Twitterアカウント「@WillMediad」をフォロー。
２．Twitterアカウントで本キャンペーン指定のツイートをリツイート。
３．上記で応募は完了です。

当選発表と商品配送までの流れ

2023年4月中旬頃に当選された方にキャンペーン事務局からTwitterのDM（ダイレクトメッセージ）にて、当選通知を行います。その際に賞品配送方法についてをご連絡させていただきます。（「@WillMediad」アカウントのフォローをはずされておりますと当選連絡ができなくなりますので、ご注意ください。）
※賞品配送は、4月下旬頃を予定しております。
※住所、転居先不明・長期不在などにより賞品をお届けできない場合には、ご当選を無効とさせていただきます。
※TwitterのDM（ダイレクトメッセージ）にてご住所をご案内頂けない場合にはご当選の権利が無効となりますのでご注意ください。

その他の注意事項

・本キャンペーンについては下記をお読みいただき、ご同意いただける場合のみご応募ください。
・応募者は本応募規約に従うものとし、一切異議申立てを行わないものとします。
・インターネット接続料及び通信料はお客様のご負担となります。
・賞品の内容は変更となる場合がございます。あらかじめご了承ください。
・当社が意図しない不正な処理を行わせるプログラム等でのご応募は無効とさせていただきます。
・当サイトの利用によるいかなるトラブル・損害（直接、間接の損害別を問わず）が発生したとしても一切の責任を負いかねます。あらかじめご了承ください。
・本キャンペーンでお預かりする皆様の個人情報の保護方針についてはプライバシーポリシーに記載しておりますので、必ずご一読の上、ご利用願います。
・本キャンペーンの規約に違反していると事務局が判断した場合に限り、アカウントのブロック等の必要な措置を取ることができるものとします。
・本キャンペーン規約の解釈・適用に関しましては、日本国法に準拠するものといたします。