少し前に、友人から新規契約でiPhoneを買いたいという相談を受けたので、キャリアの新規契約で安く手に入る方法を教えた(→iPhoneの新規契約についてお得な方法を考えてみました。)のですが、毎月の維持費がネックとなって決断できない様子。
 
そこで、格安SIMを使って、iPhoneの端末代+毎月の維持費の2年間の合計額がキャリアの料金よりも安くなる方法を考えてみました。
 
考えられるパターンは…
・アップルストアで購入し格安SIMを利用
・MVNOで端末と格安SIMを同時に契約
・中古iPhoneを購入して格安SIMを利用
です。
 
なお、前回の記事では、キャリア契約の料金を「iPhone 8/64GBを購入し5分以内の通話し放題(2年契約)に5GBのデータ通信プラン」でシミュレーションしましたが、これは通話し放題プランが基本使用料金に該当するため外せなかったことが理由。通話は必要ないので、格安SIMの場合はデータ通信のみで利用できますので、シミュレーションは「5GBのデータ通信プラン」で行います。
 
格安SIMで5GBのデータ通信プランは、MVNOによって差はありますが、最安プランで約1300円からあります。たとえば、DMM mobileの5GBプランは月額1306円ですので、 2年間の利用料金は3万1344円です。
 
キャリアの利用料金の最安はソフトバンクで端末を一括0円で購入した場合の4352円ですので、2年間の維持費は10万4448円。つまり、差額の7万3104円以内でiPhoneを購入できれば、総支払い額を下げることができます。
 
まず、新品のiPhoneをアップルストアで購入する方法ですが、iPhone 8/64GBモデルの場合、8万5104円とかなり高額です。7万3104円を超えてしまっているので、SIMフリーのiPhoneが手に入る以外のメリットはありません。
 
次にMVNOでiPhoneの購入と回線契約をする方法ですが、選べるのがiPhone SE、iPhone6s、iPhone 7のいずれかとなります。さらに、端末代金もアップルストアとほとんど変わりませんので、MVNOで購入するメリットはほぼないといってよいでしょう。ただし、端末代の割引キャンペーンがあれば、利用することで安く手に入れられる可能性があります。
 
ということは、中古端末の購入が一番安くなりそうです。iPhoneは人気種だけに流通量が非常に多く、iPhone6sから最新のiPhone 8やiPhone Xまで、好みに応じて自由に選べるのもポイントです。
 
中古iPhoneを購入する場合、モデルと端末の状態によって価格が変わります。当たり前の話ですが、最新モデルで新品に近いほど価格が高くなり、古いモデルで使い込まれた中古品ほど価格が安くなります。
 
また、ネットワーク利用制限の状態とSIMフリー(SIMロック解除済)かどうかでも価格が変動します。
 
ネットワーク利用制限というのは、携帯電話固有の製造番号を登録し、一定の条件に当てはまる場合、通話とデータ通信を利用できなくするシステムです。一定の条件とは、不正契約、盗難、料金の未払いなどで、一度ロックされると解除されません。そのため、ネットワーク利用制限がかかる可能性があるiPhoneは、リスクがあるのでその分販売価格は安くなります。いくら安くても使えなくなってしまっては元も子もありませんので、価格につられて手を出さないようにしましょう。
 
また、SIMフリーまたはSIMロック解除済みのiPhoneは、使い勝手がいいので価格が高くなります。反対に使える格安SIMが限られ、UQ mobileのSIM以外はテザリングができないau版のiPhoneは価格が安くなります。逆にいえば、回線やテザリングにこだわらなければ、au版のiPhoneが安く買えるのでオススメです。
 
以上のことをふまえてiPhoneの中古端末価格を、大手中古ショップを中心に検索してみます。
 
iPhone 8/64GBモデルは、登場から間もないこともあって相場はかなり高く、中古でも6万円台、未使用品で7万2000円が相場です。新品で買うよりも安いことは安いのですが、わざわざ中古を買うメリットはあまりないでしょう
 
一世代前のiPhone 7だと価格はぐっと下がり、128GBモデルの場合、使用感のある中古端末で4万2000円前後が相場となっています。バッテリーの劣化など不安な部分もありますが、2年間で約3万円の節約になります。
 
さらに、もう一世代前にiPhone 6sは、64GBモデルの場合、使用感のある中古で3万5000円前後が相場となっています。iPhone 7よりも7000円下がるので、2年間で約3万7000円の節約です。ただし、発売が2015年と古いモデルですので、外装や画面、バッテリーなどの劣化は覚悟する必要がありそうです。
 
各モデルの好き嫌いを無視すれば、性能と容量の面でiPhone 7の128GBモデルが、もっともコストパフォーマンスが良さそうです。
 
仮に4万2000円で購入したと仮定すると、端末代金の負担は4万2000円÷24カ月で月1750円。前述したようにDMM mobileの5GBプランは月額1306円ですので、合計3006円が毎月の維持費となります。一括0円で購入できた場合のソフトバンクとの差額は月1346円、2年間で3万2304円です。
 
この金額をどう感じるかは人によると思いますが、iPhoneのモデルにこだわりがなく、とにかく1円でも安く使いたいという人以外は、素直にソフトバンクで一括0円のiPhoneを探して新規契約した方がいいように思います。
 
後は、友人に判断に任せたいと思います。
 
しかし、なんだかんだいっても、キャリアの値引き販売はかなりお得ですね。これで、データ通信費をもう少し下げてもらえると嬉しいのですが…。
 
この記事を書いた人:
小日向 淳/フリーライター/1970年東京都生まれ。
商社の営業を退職後、専門誌でライターとしての仕事をスタート。現在はフリーライターとしてオールジャンルの記事を書籍、雑誌、Webで執筆。趣味はサッカー観戦と音楽鑑賞、車と自転車いじり。

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