上限5,000人の有観客試合で開催中のプロ野球。PL学園出身・元プロ野球選手の野々垣武志が、キーマンとなった選手を取り上げて、パ・リーグ6球団の1週間の死闘を振り返ります。
<埼玉西武ライオンズ/平良 海馬/チーム成績:2勝3敗 ※1試合中止>
16日の楽天戦で西武の平良海馬投手が開幕からの“実質ノーヒットノーラン”に王手をかけた。7回に2番手で登板。先頭の鈴木大地に四球を与えたが、好調の茂木栄五郎、浅村栄斗を連続三振に切ると、島内宏明を三ゴロに仕留め、1回を無安打無失点に抑えた。
平良投手は開幕から中継ぎで9試合に登板し、ここまで8回3分の2を無安打無失点と一本もヒットを打たれておらず、あと1死で“実質ノーヒットノーラン”の達成に王手をかけた。翌17日、7回に2番手として登板。先頭の銀次を二ゴロに仕留め、開幕からの“実質ノーヒットノーラン”の快記録を達成した。
2日後の19日の試合で、浅村栄斗にタイムリーを打たれて連続記録は途切れたが、ロメロへの4球目、自己最速を更新する160キロの剛速球を投げ込んで空振り三振に仕留めた。
現在は中継ぎだが、抑えや先発としての起用も見てみたい。今後、どこまで潜在能力を発揮していくか楽しみだ。
<福岡ソフトバンクホークス/上林 誠知/チーム成績:5勝1敗>
19日までのオリックス6連戦では、22打数9安打で打率.409と高い打率を維持している。今季トータルの成績では打率.250(リーグ23位)、4本塁打(リーグ6位)、15打点(リーグ同率7位)と、打率は物足りないものの上り調子だ。
17日のオリックス戦では、5回に2番手・荒西祐大のシンカーを一塁強襲の二塁打を放つと、8回にはK-鈴木のストレートを右翼席に4号ソロ。この勢いは止まらず、9回2死の場面でも右前タイムリーで3打点目をたたき出し、今季2度目の3安打猛打賞をマークした。
実力を発揮し始めた今後に期待したい。
<東北楽天ゴールデンイーグルス/茂木 栄五郎/チーム成績:3勝2敗 ※1試合中止)>
19日までの西武6連戦では、19打数9安打で打率.474、2本塁打、7打点と高打率を維持している。開幕からの成績では打率.313(リーグ7位)、3本塁打(リーグ7位)、13打点(リーグ同率9位)と、ハイアベレージを残している。
15日の試合では4回に2点を先制し、なお2死一三塁という場面で、先発・今井達也のストレートを強振し、バックスクリーンへ2号3ラン。4打数3安打4打点で、今季3度目の猛打賞で4試合ぶりとなるチームの勝利に貢献した。
本塁打をセンター方向に打てたのは、調子が上向きの証。今後もセンター中心に打ち返すバッティングを心掛ければ、結果的に広角に打球が飛び、打率もさらに上がってくるだろう。
<千葉ロッテマリーンズ/マーティン/チーム成績:3勝3敗>
19日までの日本ハム6連戦では、23打数8安打で打率.348、2本塁打、9打点と好調。開幕からトータルの成績では打率.273(リーグ10位)、5本塁打5(リーグ同率5位)、17打点(リーグ同率7位)と、ハイアベレージを残している。
15日の試合では1点ビハインドで迎えた5回、日本ハム先発のマルティネスから打った瞬間にそれと分かる、2試合連発の5号逆転3ランを放った。
開幕当初よりも、打撃フォームの軸がブレなくなり、ストライクボールの見極めが良くなって来たので、これからさらに成績が良くなるだろうと思われる。今後も走攻守での活躍が楽しみだ。
<北海道日本ハムファイターズ/西川 遥輝/チーム成績:3勝3敗>
19日までのロッテ6連戦では、19打数9安打で打率.474と好調を維持している。開幕からトータルの成績では打率.283(リーグ9位)と、1番打者として良い働きをしている。
15日の試合では3安打の猛打賞で連敗ストップに貢献。初回に中前打、1点を追う6回は同点の中前適時打。全5打席で出塁して2四球含め、1番打者の役目を果たした。
打つだけではなく、抜群の脚力(盗塁8・リーグ2位)、27試合で22個の四球(出塁率.413・リーグ7位)、広い守備範囲など、西川本来の姿が戻ってきた。こうしたプレーが投手陣を助け、これからチームが浮上するためのキーマンとなるだろう。
<オリックス・バファローズ/太田 椋/チーム成績:1勝5敗>
19日までのソフトバンク6連戦では、12打数4安打で打率.333、2本塁打、2 打点と、高打率を維持している。規定打席には達していないが、打率.333、2本塁打、2打点というアベレージを残している。
高卒2年目で19歳の太田椋だが、16日の試合では1軍登録されて即初スタメン出場。1点ビハインドの3回、ソフトバンクのバンデンハークから中越えソロ本塁打を放った。
翌日も1点ビハインドの3回に、東浜巨のスライダーを左翼席に運び、2試合連続の本塁打を放った。
父親は現オリックスの打撃投手で、元プロ野球選手の太田暁。父の教えが実ったのか、19歳とは思えないスイングスピードで、2本ともエース級から打てたことは大きな自信になるだろう。こうして最高の結果を出せたのは、技術力と今まで取り組んできた思いの強さが結びついたからだと思われる。イチローをしのぐ19歳153日の球団最年少1号本塁打となり、10代の2戦連発も初。順調に行けば球界を代表するような選手になるだろう。

文・野々垣武志(ののがき たけし)
1971年7月8日生まれ、奈良県桜井市出身。1989年にPL学園からドラフト外で西武ライオンズに入団。同期入団は、ドラフト1位の潮崎哲也、2位の鈴木哲、3位の大塚光二、4位の宮地克彦ら。主に内野手として6年間プレーし、1995年にトレードで広島東洋カープに移籍し、代打の切り札として活躍した。2001年からはダイエーホークスに2年間在籍。その後は台湾プロ野球の誠泰太陽に移籍し、14年間の現役生活に幕を下ろした。現在は野球指導者、YouTuberとして活躍している。

 
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