「地球なんて隕石が落ちて無くなってしまえばいいのに」
過疎化が進む秋田の町に現れた“緑の光”は少年少女を導く光か、それとも…
©2021「光を追いかけて」製作委員会
過疎化が進む秋田の美しい田園風景をバックに、思春期を迎えた少年少女の繊細で脆い心の移り変わりと、変わりゆく地元を何とかしようと足掻く大人たちの姿が描かれる本作。
両親の離婚により父親の地元である秋田に引っ越してきた中学3年生の彰。町にも学校にも馴染めずにいたが、ある時不登校を続けているクラスメートの真希と出会う。共通の秘密を抱え、徐々に距離が近くなっていく2人。楽しい時間が続いていくかと思った矢先、事件が起こり2人の関係は大きく変化する…。一方大人たちも、過疎化による中学校の閉校という暗い現状を打破することが出来ず、もがき苦しんでいた。
主人公の中島彰を演じるのは、存在感のある演技で今、ティーン世代で最も注目を浴びる俳優の一人である中川翼。独特の雰囲気を持ち見る人を惹きつけるヒロインの岡本真希は、今年ブレークが予想されている長澤樹。等身大の演技が、思春期の少年少女を見事に表現している。二人の担任である奈良美晴役は生駒里奈、真希の叔父・佐藤秀雄役に柳葉敏郎。二人とも秋田出身の名俳優だ。彰と真希のクラスメート役にはポカリスエットのCMで話題を呼んだ中島セナ、彰の父親役に「カーネーション」や「半沢直樹」で活躍した駿河太郎など、注目のキャストたちが名を連ねている。
作中で描かれる子どもならではの葛藤、嫉妬、惨めさ…。これらは誰にでも身に覚えがあるのではないだろうか。まざまざと見せつけられる心の内側は、心臓がギュッと握りつぶされるような感覚に陥るが、強く共感出来るシーンでもある。
ラスト30分は怒涛の展開で、まさに息つく暇も無い。子どもたちが前進するのに合わせて町も動き出し、光となるべく歩みを進めていく。
EDでは湯木慧が柔らかな声で歌い上げる主題歌、「心解く」が秋田の景色と共に流れる。抜けるような青空、たわわに実る黄金の稲穂、水が入った透明な田園、深い青色と真っ白な波しぶきを上げる日本海。本作は背景の美しさにも注目してほしい。
- コメント
◇成田洋一〈監督〉
思春期、それは人生の中で一番不安定で、世界が毎日変わって見える時期かもしれません。私自身、恋愛、友情、勉強、親との関係で悩み、トンネルに入り、ようやく光を見つけたと思ったら、また入る、そんな毎日でした。でも、その光は大なり小なり輝いていて、必ず、必ず存在するのです。その繰り返しが人生だし、ほんのわずかな輝きがあるだけで人生はす
こぶる楽しいのです。
この映画は、1991年に私の故郷に現れた緑の光とミステリーサークルの事件をモチーフにしてます。もし、美しい田んぼが広がる過疎の町で、心の均衡をぎりぎり保っている思春期の子供たちと、過疎の不安を隠しながら生活している大人たちの前に「それ」が現れたら…きっと均衡が崩れ、彼らのさまざまな思いが露わになり、ぶつかり合うのではないかと。そして、それは「その先の未来:光」に向かうために必要な儀式ではないかと思うのです。
誰にも「光」は存在します。それを追いかけていけば必ず辿り着けるのです。思春期の子供たちへ、そして思春期を忘れかけている大人たちに是非見てもらいたい映画です。◇中川翼〈中島彰〉役
完成した映像を見た時、どこかにあった不安な気持ちがすっと消えていきました。
きっと僕にとって、人生のターニングポイントになる映画だと思います。
成田監督を始め、秋田の撮影では現地の皆さんとの素敵な出会いがありました。
自分の居場所を探していた彰も、人見知りだった僕も、この映画が変えてくれました。
今すぐ秋田に行きたくなる、秋田の魅力満載の映画になっています。
一面に広がる大自然に注目して、見てみてください。◇長澤樹〈岡本真希〉役
初めての映画、何も出来ない私が真希を演じられるか不安でした。真希は台風みたいな子で自分とは全然違うと思っていました。でも撮影が始まり、真希に寄り添ってみるとそんなことはなくて。共感できる部分が沢山あり、それが段々と増えていく事が楽しくてあっという間でした。この美しい作品が完成したのは監督・キャストやスタッフ・地元の皆さん、そして秋田という素敵な場所があったからです。この作品が皆さんの希望の光になりますように。◇生駒里奈〈奈良美晴〉役
我が故郷秋田を舞台にした作品に出演する事が出来て素直に嬉しいです。
この作品は秋田そして田舎のリアルを細かく美しく映し出された作品です。
主演の皆さんの10 代の心の痛みや、私が演じた若者の葛藤、親世代、祖父母世代の気持ちを成田監督が素晴らしい映像で切り取っています。
私がなんとなく見ていた地元の田園風景がこんなに宝物だったなんて、、、
空の広さに感動して、嬉しいのに涙が溢れました。
是非、沢山の方に見て頂き、日常にある景色や自分の心を感じで頂けたらと思います。◇柳葉敏郎〈佐藤秀雄〉役
大人が変わらなければ子どもも変われない。この作品を通して、秋田県民のみならず、人生に一歩踏み出す勇気を持つことの大切さに気づいてほしい。
『光を追いかけて』は、10月1日(金)からグランドシネマサンシャイン池袋他全国順次公開。また9月23日(木/祝)からAL☆VE(アルヴェシアター/秋田)にて先行公開。
- 映画情報
©2021「光を追いかけて」製作委員会出演者
中川翼、長澤樹、生駒里奈、中島セナ、駿河太郎、小野塚勇人、下川恭平、木村聖哉、丹野未結、日向丈、柳葉敏郎 ほか監督
成田洋一脚本
成田洋一 / 作道雄配給
ラビットハウス